SSブログ

熊谷市指定有形民俗文化財「上久下の数珠付鉦一口」 [民俗]


2E445AE9-2FCE-4871-9089-9801741BF181.jpeg

熊谷市久下にある「権八地蔵」の隣にある久下上区集会所には、熊谷市指定有形民俗文化財「上久下の数珠付鉦一口」が収蔵されています。権八地蔵の調査と合わせて、秘蔵の数珠を確認させていただきました。この数珠は、久下の権八地蔵尊の地蔵堂に保管されていました。天保13年(1842)以降に製作されたと推定されています。桐製の大玉2顆・小玉217顆からなり、先祖供養などを祈願したもので、すべての玉に刻字があります。百万遍の数珠として用いられ、刻字された人名から県外の地元出身者との繋がりを知ることのできる、歴史的な資料です。百万遍とは地域の住民が集い、数珠を持ち、順に回しながら念仏や御詠歌などを口にして人々の安寧などを願うものです。その際の音頭をとる道具が鉦です。この信仰行事は知恩寺8世善阿が流行病をなおすため7日間 100万遍の念仏を称え、効験があったことから、各地に派生したものです。現在、百万遍の行事は昭和40年代以降行われなくなっていますが、現在の新型コロナウイルスの感染予防を祈願する上でも、興味深い貴重な民俗文化財です。



nice!(0)  コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。