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池上遺跡発掘調査について(道の駅整備事業) その2 [発掘調査]

調査が順調に進んでいる道の駅予定地内の池上遺跡ですが、先日機会を設けて名古屋大学の准教授にお越しいただきました。
 氏の研究テーマは弥生時代における人々の営みを当時の食生活などから研究する環境考古学で、現在調査している調査区では、土器が投げ捨てられている土坑が複数検出しています。廃棄土坑と推定しているのですが、そこには生活の痕跡である残滓として、穀物や炭化物が確認されています。
 それらは、炭素14年代法などの分析にかけることで、当時の食生活のみならず、土坑に廃棄された年代特定につながります。
 35年以上前の池上遺跡では、住居跡から炭化米が検出され、弥生時代中期からこの地域一帯が稲作を行っていたことが分かっています。
 今回の調査は過去の調査結果を補完するうえで、重要だと考えらます。

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池上遺跡発掘調査について(道の駅整備事業) その1 [発掘調査]

 長らく、お知らせできなかった発掘調査の内容について今回は掲載します。
先月から熊谷市東部の池上地区に予定している道の駅整備地内で発掘調査を開始しました。
今回の調査地点は過去に国道17号バイパスをを調査した小敷田遺跡の3区の東にあたります。
先週から本格的な調査が始まったので、まだ全容は明らかではありませんが、現在までに土坑数十基、溝跡数条、環濠かと思われるもの、掘立柱建物になるであろうピット多数が検出されています。
 出土遺物は弥生時代中期の甕、壺片で、これまでにそれ以外の時期のものは検出しておりません。
 今回は、掘立柱建物を探す目的で、ドローンによる遺構確認を実施しました。全体の模式図作成としても活用できるため、大規模現場には非常に役に立つツールではないでしょうか。

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作業風景

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土坑 遺物検出状況

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ドローン撮影写真
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池上遺跡発掘調査について(ほ場整備事業) その5 [発掘調査]

 今回で、連続しての池上遺跡についての記事は終わりになります。
 平成30年度から令和元年度の2か年にわたり発掘調査を実施し、池上遺跡周辺についての多くの情報を得ることができました。
 昨年度については、古墳時代前期に水辺の祭祀を行ったことを示す木製品の検出、同時期の土器に付着した炭化米が確認され、周辺で稲作を行っていたことが分かりました。
 また、今年度は、弥生時代中期の最古級の方形周溝墓の確認、「官」、「宮」などの墨書土器の検出など非常に貴重な調査となりました。
 このように注目される池上遺跡は、熊谷市が計画する道の駅整備に向けて、来年度から最大4年間の事前発掘調査を実施いたします。
 年間を通じ、大変な調査となることが想定されますが、池上遺跡の全体像を把握することができるため、かなり注目に値する調査になります。今後の池上遺跡についての情報をお伝えいたしますので、引き続きよろしくお願いいたします。
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道の駅予定地 全景(白線)
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池上遺跡発掘調査について(ほ場整備事業) その4 [発掘調査]

 今回は水に関わる祭祀についていくつかお話いたします。
この池上遺跡は、その名のとおり水に関する地名です。池上は低地の各所に池が存在していたことからついた名であると想定でき、昭和初期には複数の沼があったことを近隣の古老から聞き、現在でも「湯釜」などの地名が残っていることから、水の豊富な場所であったことが窺えます。
 このことは、これまでの2年間の池上遺跡の発掘調査で身をもって体験することになりました。
現在でも、この池上地区は地下水が豊富で発掘調査時は毎朝の調査区の水抜きから始まります。夏季期間や、台風の時期では一面が湖のような様相になります。
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水没した発掘調査地点

 このような場所で昔は、祭祀をおこなっていたと考えられます。今回の調査ではそれに関わる祭祀遺構がいくつか検出しています。湧泉痕がある方形の土坑があり、そこから桃の種、墨書土器、臼玉が検出しています。これらが出土することから、湧泉祭祀遺構と推定でき、水辺の祭祀を当時おこなっていたことが思い描かれます。
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上:湧泉祭祀遺構 下:検出した臼玉
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池上遺跡発掘調査について(ほ場整備事業) その3 [発掘調査]

 池上遺跡について3回目の記事です。
 今回は、河川跡から検出した墨書土器について紹介します。
 本調査で、弥生時代から江戸時代にかけての遺構、遺物が検出しています。弥生や古墳時代の遺構は河川跡によって切られており、その河川跡からは多量の土器が確認されました。堆積状況から河川の氾濫によるものと考えれ、検出遺物から奈良、平安時代(8世紀後半から9世紀初頭)と判断できました。
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 そのうち数点からは、須恵器坏の底部に墨で文字を残した「墨書土器」が確認されました。
 書かれた文字は、「宮」もしくは「官」や、「●刀自」、「豊」などで、「宮」もしくは「官」はこれまでに4点検出しています。
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 この池上遺跡はかつての埼玉郡の西端に位置しており、これまでに、この埼玉郡の郡衙(役所)は熊谷市域に存在すると考えられており、池上遺跡やこの遺跡の北に位置する北島遺跡も候補に挙がっています。
 今回、このような墨書が検出したことは、この郡衙を考える一つの判断材料になるものと考えられます。
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池上遺跡発掘調査について(ほ場整備事業) その1 [発掘調査]

 本日から数回に分けて、令和元年度調査の池上遺跡発掘調査成果についてお伝えいたします。
 本調査は、昨年から2か年に分けて実施しているもので、今月の3月末をもって終了になる事業です。
 事業は、埼玉県が主体となって実施している市内池上地区のほ場整備事業で、発掘調査はその内、水路部分の調査です。今年度は10月から実施し、現在佳境に入っております。
 これまでの調査で、弥生時代中期から江戸時代にわたる遺構、遺物が検出されており、河川跡、沼跡、溝跡、掘立柱建物跡、方形周溝墓、祭祀遺構、土坑、ピットなどが確認されています。

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上空からの調査区風景

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遺物検出状況
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今年度の発掘現場から 2 鶴巻遺跡 [発掘調査]

 池上・小敷田遺跡の所在する一帯の水田地帯に300m近い長大な発掘調査区が開かれました。圃場整備事業に係る水路工事のため調査区を設定したものですが、もともとの低地であることから出水が絶えません。水があれば植物質の遺物が良好に保存されることが予想され、実際に古墳時代の多様な遺物が出土しました。槽・弓などの木器や素材の材木と、土器は当時の水中に投げ込まれたらしく完存品が多くありました。沼や川の淵など水辺の祭りに使われたものと推定されます。
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延々と続く調査区

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溝から出土したS字口縁台付甕と叩き甕など
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今年の発掘現場から 1 諏訪木遺跡 [発掘調査]

 今季、熊谷は日本で最高気温を記録しました。その日も市内の発掘現場では汗を絞り出しての作業に追われていました。古代の住居跡、方形周溝墓、中世の館溝などの遺構が重なって発見された現場に接した水路にはなぜか蓮が咲き誇っていました。聞けばいつの間にか古代ハスが生えたとのこと、近隣のお寺から派生したのではとも。猛暑の中、薄紅色の花に囲まれていると別世界にいるようで、ここはどこ、天国か、いやまだ早いと、正気に戻ること数度。
 また、毎週の台風・大雨で発掘現場は水没すること5回。仕方ないとはいえ作業は困難続き、いつの間にか蓮は大きな実となり、黒い蓮実はこぼれ落ちる。発掘が終わると、この水路は改修され一部は埋め戻され道路に変ります。こぼれ落ち埋没したハスの実は大賀蓮のように二千年後に花を咲かせることができるのでしょうか。
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現場東方向 可憐な蓮華
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台風後の現場 西方向

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池上地区ほ場整備地内発掘調査(鶴卷遺跡)その2 [発掘調査]

 11月にお伝えした池上地区ほ場整備地内発掘調査の続きです。
 水田に隣接する水路の真横を発掘調査しているため、この時期でも湧水が多く大変な発掘現場となっています。
 現在までに、住居跡は検出されていませんが、溝跡や沼地(河川跡?)、土坑跡が多数検出されています。
 遺物は、古墳時代前期や古墳時代後期の土器を中心に多数の土器や木製品が見つかり、このほかにもモモの種子やクリ、ヒョウタンなどの表皮が検出しています。
 なお、出土した土器の内面の土を洗浄したところ、炭化米が数十粒確認できました。土器は形状からS字状口縁台付甕で古墳時代前期(4世紀代)のものと考えられます。
 今回の調査では、このような土器が他にも複数出土しているため、今後の調査に期待したいです。
image001s.jpg 確認された炭化米
image003s.jpg 出土した土器


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三ヶ尻古墳群・稲荷塚古墳発掘調査1 [発掘調査]

 9月下旬から始まった調査が進み、現在は、古墳の被葬者が安置された横穴式石室と墳丘の調査を行っています。
 後世の攪乱箇所が随所にあり、遺存状態はあまり良好ではありませんが、石室の石組の一部、そして、墳丘をつき固めて造った様子が観察できます。ちなみに、古墳の築造時期は、埴輪が出土しており、6世紀末前後と思われます。

65EFD254-D005-4C20-8A97-A3CF9F4DBD01.jpeg石室の一部の様子
60DC643C-4837-4FAA-A3DB-303B1DFEB38A.jpeg墳丘土の様子(中央下部がつき固めて造った箇所)
667CF245-6E94-424F-B781-6095D60A0DD5.jpeg調査前の墳丘の様子
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