肥塚古墳群と古塚古墳石棺 ― 2 [その他]
↓②西側面 ③蓋石A | ←①小口北側 ↓④東側面 |
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⑤南側小口→ | ||
↑⑥棺身の隅部 |
問題は現状の蓋石です。記録では別置きの蓋石Bが当初とされていますが、A・Bともその使用が疑問です。第一の疑問は、想定される棺身と蓋の規模が合いません。風化が進んでいるとしても棺蓋としての成形加工が全くみられません。蓋石ABの材質は粗粒の黄灰色凝灰岩と近似していますが、棺身は細粒の灰白色凝灰岩で異なっています。当時の石棺蓋は棺身に合わせ蒲鉾型や家形などに加工することが当時の葬送儀礼と考えられ、その類例も多数で、自然石又は截石のまま棺に使用する例は組合せ式石棺と呼ぶ別の葬法になります。おそらく棺蓋は石棺掘出しまでに崩壊していたのではないかと思われます。
第二の疑問は蓋石に見られる別の加工痕跡です。蓋石Aに明瞭ですが側面に矩形の截欠
⑦蓋石B | |
⑧蓋石A 側縁に見られる截欠 | ⑨石室石材-長方形一部に截欠がある |