三ヶ尻古墳群・稲荷塚古墳発掘調査1 [発掘調査]
9月下旬から始まった調査が進み、現在は、古墳の被葬者が安置された横穴式石室と墳丘の調査を行っています。
石室の一部の様子調査前の墳丘の様子
後世の攪乱箇所が随所にあり、遺存状態はあまり良好ではありませんが、石室の石組の一部、そして、墳丘をつき固めて造った様子が観察できます。ちなみに、古墳の築造時期は、埴輪が出土しており、6世紀末前後と思われます。
石室の一部の様子調査前の墳丘の様子
肥塚古墳群・肥塚館跡発掘調査1 [発掘調査]
10月から始まった調査が進み、古墳時代後期の竪穴住居跡の調査を行っています。
住居の規模は大きく、5m四方ないしはそれ以上の規模があります。堆積した土中からは、量は多くないですが、土師器坏や高坏などの土器、石製の紡錘車などが出土しています。特徴的なのは、堆積した土に多くの礫が含まれていることです。
ちなみに、遺跡名には、古墳群、館跡とありますが、本調査地点では集落跡が発見されていて、過去のこの周辺の調査でも同様です。
寺内廃寺の塑像 ―1 [奈良平安時代]
諏訪神社本殿の公開と彫刻の美 [建造物]
11月10日(土)に、熊谷市上新田に所在する埼玉県指定文化財(有形文化財・建造物)「諏訪神社本殿」の特別公開を実施しました。里山ウォーキングの参加者を含めて約100名の来場がありました。妻沼聖天山本殿の国宝「歓喜院聖天堂」を手がけた石原吟八郎を中心とした彫刻師が、同じく高い技術を発揮した本殿彫刻であり、各所に配置された緻密な彫刻が特徴です。公開に合わせて調査報告会として「諏訪神社本殿と歓喜院聖天堂」を開催し、双方の共通点や、彫刻の主題となった物語などについて解説しました。普段は非公開となっている建造物であることから、遠方からの見学者もあり、熊谷の歴史や文化財を情報発信する機会となりました。また、毀損部分もあることから、今後の保存修理の必要性について意識の共有に繋がる公開になったように思えました。
星溪園秋の茶会と紅葉 [記念物]
歴史講座「熊谷の偉人史跡―荻野吟子の生涯と生誕の地」 [普及事業]
2018年9月27日にサンシティ熊谷で開講した【熊谷の偉人史跡―荻野吟子の生涯と生誕の地】についての講座内容を収録し、江南文化財センターのYouTubeサイトにて公開しています。
熊谷出身で日本初の女医である荻野吟子は来年に映画化の予定があるなど、時代を超えて注目を集めています。荻野吟子の生涯と、吟子の不屈の精神を育んだ生誕の地に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。熊谷市俵瀬にある生誕の地には記念館も開設され、資料などが展示されています。
熊谷市立荻野吟子記念館についてはこちらをご参照ください。
http://www.city.kumagaya.lg.jp/shisetsu/bunka/oginoginkokinenkan2.html
荻野吟子をテーマとした映画
「荻野吟子の生涯―日本で初めての女性医師」についてはこちらをご参照ください。
http://www.gendaipro.com/ginko/
埼玉県民の日 11/14 国登録有形文化財「坂田医院旧診療所」一般公開 [建造物]
明治の好古家 根岸武香コレクション資料-2―『上中条出土の武人埴輪と巫女埴輪』―展示しました。 [展示]
前回の「武蔵国分寺の文字瓦」に引き続き根岸家の資料を特別にお借りいたしました。
市内上中条出土の埴輪は、日本考古学史上に銘記される発見であり、その埴輪たちもすぐれた作品として美術史上も高い評価を受けています。
明治初期、開墾に際して発見された埴輪を根岸武香が蒐集したことで、考古資料にとって重要な出土地の情報が分かります。また、ともに出土した埴輪も当時の記録から知ることができます。一部の埴輪は博物館に収蔵され見学することができますが、今回の埴輪は根岸家に長く保存されてきました。通常、見学できる機会が少ない埴輪です。来春までの間ですが、この機会にぜひ当センターでご観覧ください。
展示場所 熊谷市立江南文化財センター
展示期間 平成30年11月1日~平成31年3月27日
開館日時 平日、平時(9:00~17:00)
休 館 (土・日・祝日・年末年始期間、特別休館日)
※展示パンフレットはこちらから閲覧できます。
「武装男子」 | 「巫女」 |
星溪園 埼玉県民の日茶会の開催 [記念物]
星溪園 埼玉県民の日茶会を開催します。
立正大学裏千家茶道部・熊谷女子高校茶道部(表千家)・熊谷西高校茶道部(江戸千家)が茶席を担当する、無料で御気軽に体験できるお茶会です。
とき:平成30年11月14日(水)
午前10時30分~午後3時
(お越しの方からご案内します。一席、30分程のお茶会です。)
ところ:星溪園(熊谷市鎌倉町32)
(星溪寮・松風庵・積翠閣)
星溪寮:熊谷女子高校
松風庵:立正大学
積翠閣:熊谷西高校
*ご来場の際には公共交通機関をご利用ください。
費用:無料
定員:各100名(先着順)
申込み:当日、星溪園で受付
(午後2時30分まで)
問合せ:熊谷市立江南文化財センター 電話:048-536-5062
(当日)星溪園 048-522-9389
池上地区ほ場整備地内発掘調査について(鶴卷遺跡) [発掘調査]
久々に発掘調査についての日記です。
先週から市内池上地内で鶴卷遺跡の調査を開始しました。
この遺跡は一昨年に新規登録した遺跡で、池上遺跡の東、行田市の小敷田遺跡の北に位置し、近隣遺跡での過去の調査成果から注目される遺跡です。
今回の調査は埼玉県で実施する「ほ場整備事業」の一環で新設される水路部分の発掘で、幅約3m、縦に数百mの調査範囲となります。
鶴卷遺跡と、池上遺跡にまたがる水路部分を、2か年で数か所調査する予定です。
まだ、数日の調査ですが、弥生時代後期から中近世に至るまでの遺物が確認され、中には田下駄、杭などの木製品なども確認されています。現在までに古墳時代前期から奈良・平安時代の遺物が比較的多く検出されており、S字口縁台付甕や、有段口縁坏、高坏などが確認されています。
検出されている遺構の多くは、溝跡や沼地?(河川跡?)で住居跡などの検出は今のところありません。
湧水の影響が大きく、大変な現場ですが、今後の成果をご期待ください。
調査範囲 風景
S字口縁台付甕検出状況
先週から市内池上地内で鶴卷遺跡の調査を開始しました。
この遺跡は一昨年に新規登録した遺跡で、池上遺跡の東、行田市の小敷田遺跡の北に位置し、近隣遺跡での過去の調査成果から注目される遺跡です。
今回の調査は埼玉県で実施する「ほ場整備事業」の一環で新設される水路部分の発掘で、幅約3m、縦に数百mの調査範囲となります。
鶴卷遺跡と、池上遺跡にまたがる水路部分を、2か年で数か所調査する予定です。
まだ、数日の調査ですが、弥生時代後期から中近世に至るまでの遺物が確認され、中には田下駄、杭などの木製品なども確認されています。現在までに古墳時代前期から奈良・平安時代の遺物が比較的多く検出されており、S字口縁台付甕や、有段口縁坏、高坏などが確認されています。
検出されている遺構の多くは、溝跡や沼地?(河川跡?)で住居跡などの検出は今のところありません。
湧水の影響が大きく、大変な現場ですが、今後の成果をご期待ください。
調査範囲 風景
S字口縁台付甕検出状況