直実市民大学での文化財講義 [普及事業]
熊谷文化創造館「さくらめいと」会議室において、直実市民大学の講義の一つである文化財に関する講義を行いました。熊谷市内における文化財の紹介をはじめ、文化財とは何かという基礎的な部分についてもお話ししました。また建造物の保存修理についての状況など説明しました。約100名が受講し、日光東照宮本殿や歓喜院聖天堂の構造である「権現造り」とは何か、その言われについてなど、専門的な質問も出されるなど、多くの興味関心をお持ちであることが分かりました。今後とも、文化財の保存と公開活用に向けての助力としてお力添えを頂けたら幸いです。
文化庁国立近現代建築資料館「平成30年度収蔵品展」 [建造物]
文化庁国立近現代建築資料館での、「平成30年度収蔵品展」についてご紹介します。
2018.6.9[土]-2018.9.9[日]
平成30年度 収蔵品展
建築からまちへ 1945-1970
戦後の都市へのまなざし
Collection Showcase 2018
From Architecture to Urbanism 1945-1970
Perspectives on Urban Design in the Postwar Era
開館時間 10:00~16:30
今回の展示では、資料館が収蔵している坂倉準三、吉阪隆正+U研究室、大髙正人などの建築資料群から、整理・分析により見えてきた、彼らが思い描いた〈まちアーバニズム〉や〈都市アーバンデザイン〉に関連する資料が展示されています。さらに、修復が完了した池辺陽の「渋谷区復興計画案」の全容も紹介されています。
入場方法
[ 展覧会のみ閲覧 ](平日のみ利用可能)
湯島地方合同庁舎正門よりご入館ください。
入館無料
[ 都立旧岩崎邸庭園と同時観覧 ]
都立旧岩崎邸庭園よりご入館ください。
ただし旧岩崎邸庭園の入園料(一般)400円が必要です。
詳細は資料館サイトをご覧ください。
http://nama.bunka.go.jp/kikak/kikak/1805/
国指定史跡「幡羅官衙遺跡群」 その2 [お知らせ]
イノシシに遭遇したら [その他]
熊谷市の北側にある太田市の市報にイノシシと遭遇した時の対処法が書かれていました。熊谷においても江南地域でのイノシシの目撃情報が時折あります。居合わせた時も、普通はイノシシのほうから逃げるそうですので慌てる必要がないそうです。反面、イノシシに対して攻撃や威嚇すると逆上したイノシシが突進してくることがあるとのことです。
なお、江南地域ではイノシシの捕獲と関係する遺跡があります。縄文時代後期の遺跡である新山遺跡(小江川)ではトラップピットと呼ばれる横幅約0.5~1メートル、長さ1.5~3メートル、深さ約1メートルの穴が確認されており、これはイノシシなどの猛獣類を捕獲するための罠であったと考えられています。この時代から人間とイノシシとの関わり合いがあったことが推測でき、当時は食として、祭祀用として様々な用途が考えられていたようです。
なお、太田市報の中に接近してきたイノシシに対する興味深い対処法が紹介されています。安全な場所に塀や車の陰などに緊急避難するほか、「突進してきたらタイミングを合わせてジャンプしてください」と書かれています。タイミングを合わせてジャンプとはさすが最後の緊急的な対処ですが、熊谷の江南地域や大里地域など、身近な場所にイノシシがいることも忘れないようにしたいものです。
常光院本堂の一般公開を開催しました。 [建造物]
本年3月30日付きで熊谷市の有形文化財・建造物に指定された熊谷市上中条にある常光院本堂の一般公開と解説会を実施しました。一般公開の開会に際して文化財指定書の交付セレモニーを開催し、小久保彰田住職による講話と常光院の歴史の説明、市文化財担当者による建造物の解説会を行いました。小久保住職からは平安時代後期の中条氏館に端を発する常光院の歴史から、江戸時代における状況などについて説明がありました。これに加えて、指定文化財に向けた調査によって判明した茅葺屋根下の小屋組み構造の特質性や、過去の部材を用いながら江戸時代に再建された可能性についてお話しました。茅葺屋根の管理は定期的な葺き替えなどの作業が必要であるため、再建当初から現在まで、保存が脈々と継続されてきたことにも大きな価値と意味があります。一般公開には約50名が来場されました。通常でも茅葺屋根の外観の見学は可能ですので、どうぞご参照ください。
常光院・小久保彰田住職による講話
常光院本堂茅葺屋根を前にしての説明
常光院・小久保彰田住職による講話
常光院本堂茅葺屋根を前にしての説明
平成30年度 前中西遺跡発掘調査1
今年度の上之土地区画整理事業地内の発掘調査が、先週から始まりました。
第1地点は、前中西遺跡の範囲内です。
現在、調査進行中で、今月にはこの地点の調査が終了する予定です。
確認されている遺構は、現在でも近隣を流れる衣川の旧河道とその支流と考えられるものです。この支流からは、土器等ともに、400点を超える桃の種が出土しています。土器は、坏のほか高坏も見られることから、いずれも河川で行われた祭祀と考えられます。また、この支流には、湧泉と思われる痕跡もあり、水源となっていた可能性もあります。時期は、古墳時代後期・7世紀前半と考えられます。
なお、桃の種は、古くから祭祀や呪いに使われていたと考えられていて、『古事記』には、黄泉の国から脱出したイザナギノミコトは、桃の実を投げつけて、黄泉醜女(よもつにめ)から逃れたとあります。
土器等の出土状況
講座「熊谷市石原・上石地区の歴史と文化財」 [普及事業]
「D design travel Workshop Kumagaya」完成 [普及事業]
文化財リーフレット刊行記念講座+文化財めぐりスタンプラリー [普及事業]
赤城久伊豆神社 一般公開 [建造物]
赤城久伊豆神社の全体景、右側が本殿
解説会の様子
新たに熊谷市文化財に指定された「赤城久伊豆神社本殿」の一般公開と解説会が開催され、約50名が参加しました。冒頭には指定書の交付及び篠田宣久宮司による挨拶があり、指定に向けての調査を担当した職員による解説会を行いました。その後、奥殿を囲む透き塀の内部を特別に公開したほか、また社務所の屋上も開放され、建物全体を見通すことができました。1750年に建立された建造物で、二間社流造の構造、銅板葺の屋根が特徴です。各所には彫刻も施されています。妻沼聖天山の本殿「歓喜院聖天堂」の建立や彫刻に関わった人物を示す棟札も特別公開され、その歴史的な価値などについて説明しました。