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池上遺跡発掘調査・整理作業について [整理作業]

 今回の新型コロナウイルスに伴う影響は発掘調査にも影響しています。
発掘作業は屋外での作業ですが、休憩所は、いわゆる3密環境になってしまうことから、熊谷市では発掘調査を延期しています。
 そんな中、今年度から実施予定である道の駅予定地の池上遺跡の発掘現場では、影響のない範囲で、準備を始めています。
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池上地内 測量風景

 先日は、調査箇所の位置出し作業を委託業者に頼んで、測量してもらいました。それ以外にも可能な範囲で、準備を進めていく予定です。
 また、昨年度までで調査を終えたほ場整備に伴う池上遺跡の整理作業については、3密環境を避けるため、遺物展示室(閉鎖中)も利用して、換気をしながら作業しています。
 いつ収束するかわからない事態となっていますが、各自が気を配りながら作業しています。

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池上遺跡 整理作業風景(展示室内)

 発掘調査については、今後作業が開始できる見込みがついたら、改めてお知らせいたします。
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宮下遺跡整理作業2 [整理作業]

 先週お知らせしたくまぴあでの宮下遺跡の整理作業における続報をお知らせいたします。
この宮下遺跡の整理作業は報告書の刊行までを今年度いっぱいで完了する予定です。そのため、整理作業の効率化を図るため、自動で遺物に注記できる機材を導入いたしました。
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 インクで比較的自由度が効き、素早く吹き付けができます。作業の効率化にはなりますが、大きな土器片や壺、甕などの大きなものなどになると吹き付けができないことから、手書きで注記しなければならない状況です。
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今後、順次、整理が進んでまいりますので、随時お知らせいたします。

宮下遺跡整理作業1 [整理作業]

 熊谷市スポーツ・文化村くまぴあの創作展示棟3階にある、出土遺物整理室(熊谷市埋蔵文化財整理所)で、現在も調査中の宮下遺跡の整理作業が先週から始まっています。
 整理作業は、竪穴住居跡から、出土遺物の選別、接合作業を行っています。現在は、第18号住居跡の作業中で、興味深いことに、この住居の出土遺物は、9割以上が坏・椀(今のごはん茶碗)で、それ以外の甕や壺などはわずかです。中には、羽釜も見られ、その鍔部分のみの破片が多く見られます。
 時期は、平安時代の10世紀前半が主体と思われます。
 なお、整理作業風景は、ガラス越しにみることができますから、ぜひご見学ください。

 熊谷市スポーツ・文化村くまぴあ
 熊谷市原島315番地
 問合せ電話 048-536-5062(江南文化財センター)
 休館日 毎週第2火曜日
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廊下側のガラス張りの壁

「くまぴあ」出土遺物整理室・展示室 [整理作業]

熊谷市スポーツ・文化村「くまぴあ」創作展示棟3階の「出土遺物整理室」では、遺跡から出土した遺物の整理作業を行っています。廊下の窓越しに、土器の接合・復元、実測作業等を見学することができます。
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作業は、平日の午前9時~15時までとなります。
隣の出土遺物展示室は、市内の遺跡から出土した縄文時代から古代にかけての遺物を展示しており、くまぴあ開館日は見学可能です。
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展示品の説明がご希望の際には、整理室の職員にお声かけください。

↓赤い矢印が出土遺物展示室です。
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池ノ上遺跡出土馬骨 [整理作業]

昨年の11月から今年の2月にかけて発掘調査を行った池ノ上遺跡から出土した馬の骨の保存処理が始まりました。
出土した状態のまま土ごと掘り出して持ち帰ったので、土の塊から骨を取り出す作業から始めています。
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水を含ませた刷毛で土を取り除き、バインダーやコート剤で骨の硬化処理をしながらの作業です。
上面の土を取り除いた状態が↓です。
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在家遺跡整理調査 [整理作業]

 4月24日に埼玉県埋蔵文化財調査事業団にご協力いただいて、在家遺跡(スマートタウン事業地内)から出土した土器の墨書の有無を、赤外線装置を使用して調査しました。
 赤外線を照射して、特殊なカメラで写し、モニターへ出力すると、肉眼で確認できなくても、僅かに残る墨に赤外線が反応して見られる場合があります。実感としては土師器に適した調査法と思われました。須恵器は目視できても写らないケースがあり、水に浸けて見る方法が良いようです。

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お借りした赤外線ビジコンカメラ一式

 下の写真は「仲」と書かれた土師器です。テープで囲ったところに文字があります。実物はぼんやりとしてますが、赤外線では鮮明に写し出されています。

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実物

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赤外線の画像

 BUNKAZAI情報14号より墨書土器について簡単なコラムを連載いたしますので、興味のある方はご覧ください。




在家遺跡整理調査 [整理作業]

昨年度発掘調査を行った、別府地内に所在する在家遺跡の今年度の整理調査が、妻沼整理所内で今週より始まりました。
現在、出土遺物の水洗・注記作業が終了し、土器の接合作業を行っています。↓は、平安時代の土師器の破片を作業机の上に並べて、接合作業を行っているところです。
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接合作業が終わると、遺物の実測作業に移ります。今年度中に報告書を刊行する予定です。

遺物洗い [整理作業]

今月まで発掘調査を実施していた、不二ノ腰遺跡の出土遺物の洗浄作業が、昨日より江南文化財センターで始まっています。
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発掘調査の結果、平安時代の集落が確認されており、甕や坏が出土しています。洗浄後、出土地点の記号を注記して破片の接合作業を行い、図面を描いて、来年度報告書を刊行する予定です。
↓は、洗った遺物を、カゴに入れて天日で乾かしているところです。
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実態顕微鏡撮影 [整理作業]

前中西遺跡の礫床木棺墓出土管玉の整理作業を進めており、デジタル一眼レフカメラに顕微用アダプターを接続して、実態顕微鏡の接眼部に取り付けて撮影を行なっています。
マニュアル設定で、ASA400、シャッタースピード1/2に設定し、ブレ防止のため、シャッターボタンを押した後1秒後にシャッターが切れる露出ディレートモードを設定しています。フォーカスは、オートフォーカスが使用できないため、デジカメの液晶モニターを見ながら、実態顕微鏡でピントを合わせながら撮影を行ないます。
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撮影した1枚が↓です。肉眼では確認できなかった特長がいくつか確認することができましたので、後日紹介します。
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木製品保存処理・樹種同定 [整理作業]

今年4月から7月にかけて発掘調査を実施した、前中西遺跡より出土した木製品の保存処理と樹種同定が終了し、本日納品となりました。
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この木製品は、古墳時代後期の掘立柱建物跡の柱穴に残されていた柱材の一つです。長さ1m、直径30cm程の大きさで、底面には金属工具による加工痕が残されています。樹齢は、年輪を数えたところ80年程の木です。
樹種同定の結果は、ヒノキでした。ヒノキは、耐水性・防虫性が高く、比較的腐りにくいことから柱材として使用されたものと思われます。前中西遺跡に近い、小敷田遺跡では、古墳時代前期の木製品にヒノキが使用されており、弥生時代中期と古墳時代前期の自然木でもヒノキが確認されています。
現在ヒノキは、埼玉県では秩父山地等に自生が確認されていますが、熊谷市周辺の新荒川扇状地上での自生は確認されていません。同定の結果から、弥生時代~古墳時代にかけて新荒川扇状地上にヒノキが自生していた可能性が推測されます。
また、同定結果のレポートを、熊谷デジタルミュージアム読書室PDF文庫Construction Reportに掲載しますので、ご覧ください。

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