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木製品保存処理・樹種同定 [整理作業]

今年4月から7月にかけて発掘調査を実施した、前中西遺跡より出土した木製品の保存処理と樹種同定が終了し、本日納品となりました。
IMGP8004.jpg
この木製品は、古墳時代後期の掘立柱建物跡の柱穴に残されていた柱材の一つです。長さ1m、直径30cm程の大きさで、底面には金属工具による加工痕が残されています。樹齢は、年輪を数えたところ80年程の木です。
樹種同定の結果は、ヒノキでした。ヒノキは、耐水性・防虫性が高く、比較的腐りにくいことから柱材として使用されたものと思われます。前中西遺跡に近い、小敷田遺跡では、古墳時代前期の木製品にヒノキが使用されており、弥生時代中期と古墳時代前期の自然木でもヒノキが確認されています。
現在ヒノキは、埼玉県では秩父山地等に自生が確認されていますが、熊谷市周辺の新荒川扇状地上での自生は確認されていません。同定の結果から、弥生時代~古墳時代にかけて新荒川扇状地上にヒノキが自生していた可能性が推測されます。
また、同定結果のレポートを、熊谷デジタルミュージアム読書室PDF文庫Construction Reportに掲載しますので、ご覧ください。

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