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「第13回地域伝統芸能今昔物語」映像記録会:和太鼓集団「麗」 [民俗]



令和2年11月23日に熊谷市妻沼中央公民館大ホールで開催された「第13回地域伝統芸能今昔物語」映像記録会の様子がYouTubeで公開されています。今回は熊谷市の江南地域を中心に活動している和太鼓集団「麗」の迫力ある和太鼓演奏をご堪能ください。


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国重要文化財「平山家住宅」撮影調査 [建造物]

 熊谷市樋春に所在する国重要文化財「平山家住宅」において、ものつくり大学(行田市)建設学科の横山晋一研究室による調査が行われています。本年5月から約1年の計画で茅葺屋根建造物の保存修理計画策定を含めた調査検討を実施する予定です。6月8日には高所作業車を利用しての写真撮影調査などが行われました。茅葺の保存修理施工後から約20年が経過し、毀損箇所が点在していることから、これらの現状把握を含め、撮影データーは調査報告などの資料として利用します。そして今後の保存修理計画策定に向けての基礎資料となることを目指しています。

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高所作業車を利用しての撮影

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高所からの撮影、正面

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高所からの撮影、正面上部



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遺物整理の現場から 10 ―須恵器坏と椀に見える小石 [整理作業]

 どの瓦も硬く焼しめられ千年余を経ても布目・縄目の痕跡を良く残し、あまり風化を感じさせません。粘土も精製された土が多く小石などの夾雑物は少ないように感じます。特徴的な混入物としては南比企窯跡産の須恵器・瓦に多量に含まれる白色針状物と呼ぶ粒子が観察されます。前回までに記したように使用された粘土からも南比企窯跡で造られたものと思われます。一方、東院集落から出土する日用の須恵器椀坏類は南比企窯産の他に寄居町を中心に所在する末野窯跡産の製品も多く含まれています。この製品の中で特に目立った出土品は写真の須恵器坏や碗です。割れ口に土器の厚みより大きい小石が挟まっています。後から入れたものではなく元々石の多く含まれた粘土を使用したことが考えられます。写真の坏の場合、小石の大きさは土器の厚みを超えています。製作者の工人は、景色としてこの小石を残したのでしょうか。ろくろ引きの時には指当たって痛かったと思います。
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遺物整理の現場から 9 ―瓦の産地はどこか― [整理作業]

 「御」はヘラ描で書かれ、平瓦と丸瓦の両者に確認されます。瓦の文字は生産者を明示するために記されたと考えられることから、生産を割り当てられた郡・郷と個人の協力者の名などに分けることができます。「御」平瓦は薄めの粘土板を使い布目と縄叩きの残る良質な製品で9世紀中ごろに造られたと推定されます。この時期に先の特徴を持つ瓦を造った場所は近隣では比企丘陵の南部に位置する嵐山町・鳩山町・ときがわ町の窯跡が知られており、中でも瓦製造工房跡の発見された雷遺跡と赤沼・新沼・金沢・篩新田の諸窯跡で造られたと考えています。「続日本後記」には承和5年(845)に武蔵国分寺七重塔再建に関する記事がみえ、先の遺跡はこの瓦生産に対応した遺跡であったと考えられています。
 寺内廃寺から出土する多くの瓦もこの時期に造られたものが主体であることから、武蔵国分寺に納入される瓦の一部が寺内廃寺にもたらされたようです。その背景には、武蔵国分寺七重塔の再建にかかわった男衾郡大領「壬生吉氏」の強い関与が考えられ、この時期に壬生氏の氏寺(寺内廃寺)を大規模に改修した際に使われた可能性があります。
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寺内廃寺金堂・塔の想定復元(江南文化財センター展示中)

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遺物整理の現場から 8 ―「御」とは何のことか― [整理作業]

 寺内廃寺の瓦整理の途上、丸瓦(男瓦)の内面にヘラ描細線のある破片が見出されています。
 同類を集めてみると文字であることが判りました。平瓦(女瓦)に刻印やヘラ描文字が記される資料は寺内廃寺でも相当量ありますが、丸瓦例は少なく貴重な例のようです。文字は生瓦の状態から乾燥が進み粘土が硬くなった時点で描かれたと思われ、細い線でありながら大きな文字です。字画は簡略化され連続していますが「御」と読めそうです。寺内廃寺出土瓦には1文字から数文字のヘラ描と刻印がありました。いずれも武蔵国の郡、郷名を記してあり、武蔵国分寺へ献納されるため製作された瓦が使われたと想定しています。
 「御」が郡郷名とすると「御」と共通の読みや実際に使われた文字には、「橘樹郡御宅郷(美也介)」、「横見郡御坂郷(美佐加)」、「秩父郡美吉郷」の=美=御、「御」である可能性があります。「御」の文字瓦は、生産跡である南比企窯跡、南多摩窯跡等、そして供給先である武蔵国分寺跡から出土した瓦中にはこの文字はまだ発見されていないようです。
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丸瓦(男瓦)の内面に書かれた「御」文字
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平瓦(女瓦)の内面に書かれた「御」文字

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遺物整理の現場から 7 ―ウルトラCの接着剤― [整理作業]

 接合作業では、接着剤が必要です。接着剤は再度の修理ができるように、遺物を傷めない性質と分離可能な強度を持つものを使います。当センターで使っているのは「セメダインC」です。おそらく発掘関係者には昔からのお馴染みでしょう。この容器は押し潰したり、丸めたりして溶剤を絞り出したのちは廃棄してしまうのが常ですが、最近このチューブが昭和時代の遺物保管箱から出できました。(写真中下)先尖りの赤いキャップで出口に穴を開けるタイプでロゴもクラッシックな趣です(※)。現在のパッケージと比較すると、様式の変化が顕著に表れています。現行品(写真上)に使い慣れてしまうと、以前はこのような姿をしていたことはまったく忘れ去っていました。セメダインにも歴史(創業80年以上の老舗)ありですね。ちなみに「セメダイン」は社名できあるとか、すると製品名は「C」になる? !!その通りだそうです!!
 ※このチューブは昭和36年以降に製造されたものとされます。製造刻印は「60302」とあり「1963年2月」とすると昭和38年の製造になるのでしょうか。この頃、野原古墳や権現坂埴輪窯跡の発掘調査が行われていました。
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遺物整理の現場から 6 ―瓦の接合作業― [整理作業]

 出土品の整理にはいくつかの工程がありますが、土器などを元の形に復元し修復する作業はある意味、楽しいものです。文様のつながる破片を探し出し、元の形を想像しながら破片を接合し組上げる作業から、壺や甕や埴輪が再生されていくのです。経験豊富な調査員はこの破片が原形のどこの部分であったかを即座に想定し、接合する破片を探します。
 ズバリと的中し形が見えてくると思わず歓声が出でしまうこともあります。
 多数のピースから全体を作り上げる作業を究極の神経衰弱ゲームに例えるられるようです。ただ、出土品のピースはいつも全部が揃っているわけではないので、どうしても欠けた部分が出てきてしまいます。この場合には石膏などで補填し、補彩して一応完成とします。博物館などで完品の資料が展示されている場合、どの部分がそうなのか良く観察される事は大切なことです。
 写真は、寺内廃寺の丸瓦(男瓦)の接合風景です。文字通り瓦礫の山から一片を探し当てる作業を職員は続けています。似たもの同士の破片では、色合い・厚み・ケズリ・ナデの特徴などから類別していくのですから、試行錯誤の接合作業ではいつの間にか軍手にも穴が開きます。
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源宗寺本堂保存修理委員会 建築小委員会 [その他]

 5月27日、深谷市の大島工務店にて、保存修理委員会・建築小委員会を行いました。
 市内平戸の源宗寺では、来月22日に新本堂の上棟式を開催予定です。現地での組み立てを前に、大島工務店では仮組みをして、組みの確認を行っています。
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 写真は、屋根部分の仮組みの様子です。想像以上に高さがあり、軒も当初の計画より長くしたことで、迫力が感じられました。来月の第2週目ごろから、現地での組み立てを開始する予定です。


 
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国指定史跡「黒浜貝塚」VR体験 in 蓮田市文化財展示館 [普及事業]

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国指定史跡「黒浜貝塚」VR体験

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黒浜貝塚ガイダンスコーナー

蓮田市に所在する黒浜貝塚は、関東地方を中心とした縄文時代前期中葉「黒浜式土器」の標式遺跡貝塚であり、平成18年に国指定史跡に指定され、平成25年に追加指定されています。黒浜貝塚に隣接し、同遺跡からの出土遺物などを展示している蓮田市文化財展示館では、黒浜貝塚の全容や縄文時代の奥東京湾の変遷などを疑似体験できるVR(バーチャルリアリティ)システム設備があり、予約制で利用することができます。多方向から撮影した画像などが組み合わされ、臨場感ある遺跡探索を楽しみことができます。詳細については、同館ホームページをご確認ください。今後、このような新たな技術を活かしたVR体験展示などが増えていくのかも知れません。

蓮田市文化財展示館ホームページ
https://www.city.hasuda.saitama.jp/kyoiku/bunkazai/tenjikan/index.html


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源宗寺本堂保存修理事業 進捗状況 [その他]

 市内平戸の源宗寺では、新本堂の建設が着々と進められています。
コンクリートが固まり、型枠が取り外され、基礎工事も仕上げの段階に入っていました。
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 また、市内久下の東竹院では、来月の上棟式に向けて、棟札を作成中です。棟札とは、建物の建築や修理の記録として、建物内部に取り付ける木の御札です。棟札には、建造の年月日やご住職名、大工の名、委員会の会員名などが記載されます。



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