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ー熊谷の名工の足跡を辿るー植野惣社稲荷神社(一本木稲荷) [建造物]

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 植野惣社稲荷神社は、群馬県前橋市総社町にあります。江戸時代初期、境内に稀な榎の大木があったことから、一本木稲荷とも呼ばれています。
 本殿とその覆屋は、明和7年(1770)に創建されました。本殿の彫刻は、勢多郡黒保根村出身の彫刻師・関口文治郎他4名によって手掛けられました。文治郎は、「上州の左甚五郎」とも謳われ、熊谷の国宝・歓喜院聖天堂の造営にも携わっています。
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 明和7年創建の本殿覆屋

 また、現在の拝殿は元治元年(1864)に修復再建されました。拝殿は、千鳥破風と向拝に軒唐破風を備えた造りです。社殿の彫刻を手掛けたのは、武州熊谷出身の彫刻師・小林源太郎です。先日、当ブログにて紹介した早尾神社本殿の彫刻を手掛けた初代・小林源八正信の2代目となります。源太郎は、「関東の名工」と称され、榛名神社双龍門など多くの作品を残しています。
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 向拝部分の海老虹梁 透かし彫りの親子龍
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 拝殿左の脇障子 瓢箪から駒
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 拝殿正面の扉彫刻
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 柱に施された地紋彫り

 社殿は、何度も利根川の洪水被害にあい、その都度住民の手により遷宮、再建されてきたようです。
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 境内の裏手からは、利根川を見下ろすことができます。


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