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出土瓦に残る模様3「指紋―その2」 [奈良平安時代]

 前回、寺内廃寺出土瓦に残る「指紋」を紹介した中で、遺存数は少ないかなとしましたが、続々と登場している状況になっています。途中経過で6点見つけました。
 窯跡や寺院跡の発掘報告書では瓦の指紋まで観察報告のある例は少ないようなので、実際に指紋が残る例はもっと多数になるのではないかと考えます。遺跡間での指紋照合の研究が進めば、埴輪研究でなされたような工人の窯場間の移動など確認されることも可能になるのでしょう。
出土瓦に残る模様3.jpg
 また、最近の論文では東大寺付属の「正倉院」に使用された瓦に掌紋や指文が良好に残っていることが報告されています。正倉院の場合も同時代としては旧手法での製作とされ、旧手法に手慣れた老工人が動員されたのではないかと特別な事情も想定されます。
 岩永省三2016「正倉院正倉の奈良時代瓦をめぐる諸問題」『正倉院紀要』第38号
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