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石錘 [縄文時代]

縄文時代早期の集落跡である市内萩山遺跡から出土した「石錘(せきすい)」を紹介します。
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長さ5cm程の、楕円形を呈する自然礫の短軸方向の両端を抉るように打ち欠いた石器です。「石錘」と呼ばれる石器で、漁労用の網の重りとして使用されていたと考えられています。
本例は、縄文時代早期撚糸文期の第23号住居跡より出土しており、荒川中流域では最も古い「石錘」となります。縄文時代早期より、荒川で漁労活動が行われていた可能性を示すものと考えられます。
河川における漁労用の重りは、海岸域に近づくほど土器片錘の利用比率が増し、遠ざかるほど石水の比率が増すことが指摘されています。荒川中流域では、これまでの調査例では土錘の出土例はありません。これは、水流の速さと河床環境に対応した道具の素材の選択があったためと推測されています。
ちなみに現在の荒川中流域の環境は、川幅20~50m、夏季で水温は18°~26°C、水深40~70cm、淵は2.5mとなっています。この水域に生息する魚類の科別比率は、コイ科58%、サケ科・ギギ科・ハゼ科・ドジョウ科が各6.5%、アユ科・ウナギ科・ナマズ科・カジカ科・マダカ科が3.2%となっており、コイ科優位、ウグイ・オイカワ科主体の魚相となっています。
また、1958年ころまでは、秩父付近までアユが遡上し生息していたことが確認されています。
当時の人々が、どのような魚を採っていたのか、興味のあるところです。

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