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ミミズク形土偶 [縄文時代]

今日も、箱田氏館跡出土品の紹介です。
↓は、昨年度の調査の際に、包含層より出土したミミズク形土偶で、今から約3100年位前の縄文後期後半に、関東一円で流行した土偶の一つです。
この土偶の名前は、顔の表現がフクロウの仲間のミミズク類に似ていることからつけられました。丸い目と口と耳、そして髪を複雑に結っているのが特徴です。髪の表現は各土偶でバラエティに富んでおり、当時、多くのヘアースタイルがあったことがうかがえる資料です。

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山形土偶 [縄文時代]

箱田氏館跡から出土した、縄文時代後期の山形土偶の頭部を紹介します。
西側調査区の包含層より出土したもので、胴部以下を欠損しています。
土壌中の鉄分が付着していてちょっとわかりずらいですが、眉と鼻を貼り付けて表現し、目と口は沈線で表現しています。耳の表現もあり、耳たぶの箇所が丸くなっていることから、耳飾を付けた状態を表しているものと思われます。表裏面に赤彩の跡も認められます。
この土偶は、山形土偶と呼ばれていますが、これは、山形県から発見されたからではなく、顔が山形をしているところから山形土偶と呼ばれています。縄文時代後期中葉の関東地方でさかんに造られた土偶の形態の一つです。

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side-scraper [縄文時代]

現在整理作業を進めている、縄文時代早期撚糸文期の集落跡である萩山遺跡。
その中で、今回は扇形削器(side-scraper)と呼ばれる特徴的な石器を紹介します。
この石器は、板状の剥片を素材とするもので、平面形は三角形から台形状を呈します。
写真のものは、幅10cm程で、小形の部類に入ります。下端の最大幅の部分が刃部となります。
用途は、削器と命名されていることからも、皮を切ったり、木や骨を削るのに使ったものと考えられています。
石質は頁岩?
出土数は多くないものの、縄文時代早期に見られる石器の一つです。
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↓は、刃部の接写写真。斜めに細かい筋状の使用痕が確認できます。どのような物を、どのように使用するとこのような使用痕が残るのか、興味のあるところです。
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また、本日、当ブログの総閲覧者数が30,000人を超えました。今後ともよろしくお願いします。

撚糸文土器 [縄文時代]

現在整理作業を進めている萩山遺跡。
縄文時代早期撚糸文期土器が多量に出土していますが、その中にちょっと変わった土器がありましたので紹介します。
口唇部下に一条の絡条体圧痕を巡らし、その下には連続して撚糸文を施文しているように見えますが、そのまま絡条体を引きずって条線文としています。
絡条体を回転施文すれば撚糸文となりますが、回転せずそのまま引きずっています。
井草Ⅱ式期から、口唇部下に絡条体を押しつける例がありますが、条線として施文する例は、神奈川県大丸遺跡や、隣の深谷市四反歩遺跡でも類例があります。
本例は、口唇部が無文となることから、夏島式期に属するものと考えられます。
稲荷台式期になると、櫛歯状工具による条線がみられることから、撚糸文→条線文へと変化していく過程を示す資料と考えられます。

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ちなみに、絡条体を1回押し当て、引きずってみたのが下の写真です。

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