ちゝぶ道しるべと源宗寺
市内、石原に所在する県指定旧跡の「秩父道しるべ」。江戸時代に盛んになった秩父札所の観音信仰で往来した巡礼者などのために建てられた道標です。江戸から秩父へ行く道の一つとして熊谷宿を通過し、石原村で中山道から分かれて、寄居・釜伏峠・三沢を経由する「ちゝぶ道」がありました。
石標には「ちゝぶ道 志まぶへ十一里」とあり、秩父第一番の札所、四万部寺への距離と方向を示しています。明和3年(1766)、中山道と秩父往還の分岐点付近に建立されました。
「平戸の大ぼとけ」で知られる源宗寺。寺院を管理する藤井家に蔵されている源宗寺過去帳には、このちゝぶ道しるべの文字が源宗寺11代住職の快明和尚の筆であるという記録があります。
江戸時代、秩父札所巡りなどの観音霊場巡りが庶民の間で盛んになると、各地で既存の観音巡礼を模した新たな札所が設けられました。忍三十四番の札所もその一つで、源宗寺は忍三十四カ所の5番札所とされ、
平戸をもさらで迎ひよ紫の 雲の棚引く藤井寺
という御詠歌があります。
2020-04-17 13:43
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