SSブログ

文化財防火デー・火災防御演習 in「龍淵寺」 [普及事業]


image (47).jpeg

image (46).jpeg

image (48).jpeg


 毎年1月26日は、「文化財防火デー」です。文化財防火デーの制定は、昭和24年1月26日に、現存する世界最古の木造建造物である法隆寺(奈良県斑鳩町)の金堂が炎上し、壁画が焼損したことに基づいています。
 この事件により、火災など災害から文化財を守るという国民的な意識が高まり、翌昭和25年に文化財保護法が制定されました。
 昭和30年の第1回文化財防火デー以来、毎年1月26日周辺の時期を中心に、文化庁を始め、都道府県・市町村教育委員会、消防関係機関、文化財所有者、地域住民等が協力して、全国における文化財防火訓練等が実施されています。
 平成30年、熊谷市においては、1月21日(日曜)に熊谷市上之に所在する「龍淵寺」での火災防御演習(熊谷市消防本部・熊谷市教育委員会等)が実施されました。また、1月26日に熊谷市妻沼の妻沼聖天山にて消防訓練(歓喜院主催)が実施されます。
  火災防御演習を実施した「龍淵寺」には成田氏の菩提寺としての歴史を明らかにする「成田氏の墓」(市指定史跡)や、明治時代以降の南画の代表者として知られる女流画家の「奥原晴湖の墓」(県指定旧跡)のほか、「梵鐘」や「成田記」などの成田氏関連の古文書類が保存されています。
 龍淵寺本堂西側から出火し、本堂内に火災発見者が取り残されるという想定で訓練が実施されました。初期消火や所有者による消防通報、文化財(模擬)の持ち出しなどを実践しました。
 貴重な国民の財産である文化財を後世に残すため、文化財防火デーへのご理解とご協力をお願いいたします。

なお、防御演習の訓練では、火災発見者や初期消火者、文化財の搬出者、負傷者は文化財センター職員が担当しました。火災から消防隊到着までの一連の流れを次のとおりシナリオ化しました。その臨場感をお伝えできたらと思いますので、ご参照ください。



・・・・

演習開始

龍淵寺本堂から煙が出ている。

Aさん「なんだあれは。煙が出てる。火事なんじゃないか。一大事だ。火事だー。」
(南側から本堂前を通ると煙を発見、寺務所の玄関に知らせに入る。)
Aさん「龍淵寺さん。大変ですよ。本堂から煙が出ています。火事かもしれません。」
(発見者の知らせで、檀家Bさんと所有者Cさんが一旦外に出て煙に歩み寄り確認する。)
Bさん「あれは火事だ。Cさん、消防に通報した方がいいですよ。」
Cさん「私が119番通報をします。」(と言って、玄関前で119番通報を行う。)
Bさん「さらに煙がでてきている。この建物に燃え広がるといけない。私たちは外に出ましょう。」
Cさん「そうですね。急ぎましょう。」
Bさん「Aさん、消火器で消火をしましょう。」(と言って消火器を持参。)
Aさん「わかりました。もう一つの消火器はどこにあるのでしょう。」
Bさん「少し探してみることにしましょう。あと、檀家のDさんとEさんは文化財を運び出してください。貴重な遺産です。燃やすわけにはいかない。」

(Bさん 初期消火を始める)
Bさん「早く消えてくれよー。」
Aさん「Bさんさん、私は奥の部屋から消火器をとってきます。」
(Aさんは本堂付近で見えなくなる。)
(Bさんは、初期消火を行うが失敗。)

Bさん「なんてことだ。これではどうにもならない。火事が広がるかも知れない。息も苦しくなってきたー。」
(Aさんが戻ってこないことに気付く)
(煙が濃くなってきたため、呼吸が苦しくなり、仕方なく屋外西側に避難する。)

Bさん「あれ。Aさんはどうした。消火器をとりに行って、戻ってきていない。もしや火事の中に取り残されたのでは。おーい、大丈夫かー。返事してくれ。うー。息も苦しくなってきた。退避しよう。」
(Bさんの避難を見計らい、文化財を建物外西側に搬出する。)

Dさん「Bさん、文化財は無事です。どうにか持ってきました。」
Eさん「消火器は取りに行ったAさんは?」
Bさん「もしかしたら、取り残されたのかもしれない。」
Dさん・Eさん「えー。そんなー。」

Bさん「Aさんは戻ってきていない。本堂にいるのかもしれない。どうしたらいいんだ。」
(本堂の扉を開けようとするが、開かない状態となる)
Bさん「わー、なんで開かないんだ。どうにかしてくれー。Aさんー。返事してくれ。」
(Dさん・Eさんも扉にそばに近寄る)
Dさん「どうして開かないの。」
Eさん「Aさんー。」
Bさん「どうしても扉が開かない。Aさんもうすぐ消防隊が来るからな。頑張れよ。」
(Bさん 執拗に扉を開けようとする)
Bさん「なんてことだー。あー」
Dさん「Bさん、ここはひとまず退避しましょう」
Eさん「そうですよ。Bさん」
Bさん「Aさんがー。Aさんがー。」
(Dさん・Eさんは力づくでBさんを退避させる)

消防隊到着
Aさん「本堂西側屋内から炎が出ており、消火器で初期消火を行いましたが、消火できませんでした。避難状況ですが、建物内に4名いましたが1名避難していません。初期消火時に使用する消火器を寺務所に取りに行ったのですが、戻って来ませんでした。早く助けてください。扉は鍵がかかってしまったのか開きません。」

消火活動・救助活動開始

扉を切断するなどの処置をとり中へ進入し、負傷者となったAさんを発見。
搬出し、救急隊に引き継ぐ。
Aさんに救命措置が実施され、一命を取り留める。


演習終了




nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

熊谷出土埴輪の表紙2雪かき ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。