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来て!見て!知って!文化財 [お知らせ]

9月号の広報では、埼玉県指定有形文化財 考古資料「嘉禄銘板石塔婆」「安貞銘板石塔婆」「寛喜銘板石塔婆」を紹介しています。
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平安時代末から社会不安が高まり、不安定な武家政治や源平合戦に巻き込まれた多くの人々は、極楽往生を願う浄土思想に対する強い信仰を持つようになりました。この浄土信仰の高まりと共に鎌倉時代初期に造立された板碑は、板状の石材の頭部を三角に切り込み、表面に主尊や銘文などが刻まれています。江南地域には、日本最古のものを含めて初期の造立銘が確認できることから、板碑発祥の地と考えられています。
嘉禄3年(1227)の日本最古の紀年銘を持つ「嘉禄銘板石塔婆」(江南文化財センター所蔵)は、阿弥陀三尊像が彫られており、中央に主尊の阿弥陀を、左右対称の位置に脇侍として、左に合掌した勢至菩薩、右に蓮実を持つ観音菩薩が置かれ、浄土信仰に基づいた来迎像が表現されています。
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安貞2年(1228)の日本第2位の古い紀年銘を持つ「安貞銘板石塔婆」(樋春・真光寺所蔵)は、阿弥陀如来を意味する「種子」と呼ばれる梵字が彫られ、下部には死者の冥福を祈る、緩やかな草書調の銘文が窺えます。
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寛喜2年(1230)の日本第3位の古い紀年銘を持つ「寛喜銘板石塔婆」(江南文化財センター所蔵)は、中央で上下に分断され、一部が欠損していますが、上半分には、阿弥陀如来立像および脇侍の二菩薩が彫られており、その下半部には、亡き母の供養のための銘文が刻まれています。
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これら三つの板石塔婆は、当時の仏教思想を今に伝える貴重な文化財です。
市のホームページからは、PDF版・電子版がダウンロードできますので、こちらからご覧ください。


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