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来て!見て!知って!文化財 [お知らせ]

『市報くまがや』5月号の「来て!見て!知って!文化財」。第14回目となる今回は、市内押切地内に所在している、熊谷市指定有形文化財 歴史資料「享保銘波乗弁財天像」(押切1076)を紹介しています。
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この「波乗弁財天像」は、荒川に架かる押切橋南側の押切地区に所在する石仏です。この押切という地名は、川の水が土手を押し切ったことから名付けられ、この地区が度々洪水に見舞われたことを物語っています。
弁財天は、インダス川支流の五つの川が流れる肥沃な農耕地帯の河神として尊ばれた女神を発祥とし、農業神や音楽の神などに転じながら、七福神の一つに加えられています。日本においては、古くから水運の安全や水害防除を祈願して水辺や川の付近に弁財天像が祀られてきました。
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「波乗弁財天像」の造立年は、銘文から享保12年(1727)ということが分かっています。波頭に出現する弁財天の様子が、荒れる川の波に乗っているように見えることからこの名称が付けられています。石造りの弁財天像は類例が少なく、貴重な歴史資料であると言えます。この波乗弁財天像は、手が八本ある八臂像と呼ばれ、左手第一手から宝珠、輪宝、弓、財宝を表す蔵の鉤、右手第一手から宝剣、三叉戟と呼ばれる先端が三つに分かれた矛、宝棒、縄を持っています。また、頭上には鳥居や蛇神が刻まれ、その上に日輪、月輪が配されています。太陽や月の持つ恩恵により、村人の五穀豊穣の願いが込められているものと考えられます。
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