来て！見て！知って！文化財 [お知らせ]
『市報くまがや』３月号の「来て！見て！知って！文化財」。第12回目となる今回は、熊谷市の記念物史跡に指定されている熊谷市玉井1468「元素楼跡」を紹介しています。
現在、群馬県にある「富岡製糸場と絹産業遺産群」は世界遺産への登録に向けて注目を集めていますが、これらの遺産群とつながりのある文化財が熊谷にも所在しています。それが「元素楼跡」です。この文化財は蚕糸業の先駆者として著名な鯨井勘衛（1831-1874）という人物と深く関係しています。
玉井村に生まれた鯨井勘衛は、文久3年（1863）に、蚕種の製造を始め、慶応2年（1866）、埼玉県初となる桑園を荒川の河原に開きました。明治2年（1869）には、蚕糸改良の目的で、屋敷内に大蚕室「元素楼」を作り、自然の気候により飼育する「清涼育」という稚蚕飼育法の伝習に務めました。
元素楼における蚕種製造は成功し、その伝習を受けるために全国各地から訪れる人が後を絶たなかったと言われています。更に、時の昭憲皇后（明治天皇の皇后）、英照皇太后（明治天皇の嫡母）両陛下が富岡製糸場へお出かけになられる途中、元素楼に立ち寄られて養蚕の状況をご覧になるなど、一躍脚光を浴びました。勘衛らによって成し得た養蚕技術の向上が、関東地域での繭生産の増大をもたらし、富岡製糸場への原料の供給を下支えしたのです。
元素楼は昭和になり解体されましたが、現在跡地には行啓記念碑が建てられ、熊谷における養蚕の歴史を伝える意義深い史跡です。
現在、群馬県にある「富岡製糸場と絹産業遺産群」は世界遺産への登録に向けて注目を集めていますが、これらの遺産群とつながりのある文化財が熊谷にも所在しています。それが「元素楼跡」です。この文化財は蚕糸業の先駆者として著名な鯨井勘衛（1831-1874）という人物と深く関係しています。
玉井村に生まれた鯨井勘衛は、文久3年（1863）に、蚕種の製造を始め、慶応2年（1866）、埼玉県初となる桑園を荒川の河原に開きました。明治2年（1869）には、蚕糸改良の目的で、屋敷内に大蚕室「元素楼」を作り、自然の気候により飼育する「清涼育」という稚蚕飼育法の伝習に務めました。
元素楼における蚕種製造は成功し、その伝習を受けるために全国各地から訪れる人が後を絶たなかったと言われています。更に、時の昭憲皇后（明治天皇の皇后）、英照皇太后（明治天皇の嫡母）両陛下が富岡製糸場へお出かけになられる途中、元素楼に立ち寄られて養蚕の状況をご覧になるなど、一躍脚光を浴びました。勘衛らによって成し得た養蚕技術の向上が、関東地域での繭生産の増大をもたらし、富岡製糸場への原料の供給を下支えしたのです。
元素楼は昭和になり解体されましたが、現在跡地には行啓記念碑が建てられ、熊谷における養蚕の歴史を伝える意義深い史跡です。
2014-03-03 10:07
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