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細型管玉の石材 [弥生時代]

前中西遺跡から出土した、赤褐色を呈する細型管玉。161点中53点がこの石材です。
kudatamaaka.jpg
この石は、新潟県佐渡で主に産出されています。
↓は、新潟県佐渡市の赤玉集落心経川橋付近で採取されたものです。
IMGP8513.jpg
さて、この赤い色の石の名称ですが、考古学的には今まで多くの発掘調査報告書で「鉄石英(Ferrugios quartz)」と同定されていました。しかし、岩石学的には「鉄石英」と呼ばれる石は別に存在しています。では、この石は、岩石学的には何と呼ぶべきものかというと、ちょっとややこしいです。。
この石の構成鉱物は、「玉髄(Chal cedony)」で、酸化鉄の粒子が不規則に含まれています。「玉髄」とは、石英の微小結晶が網目状に集まったもので、半透明の乳白色を呈しています。「玉髄」の中でも、赤・褐・褐黄・緑・黒色を呈するものを「碧玉(Jasper)」と言います。この「碧玉」の中で、赤色を呈するものがこの石であり、岩石学的には「赤色碧玉」「鉄玉髄」と呼ぶべきものとのことです(参照:岩石学から見た玉髄・碧玉/柴田 徹/『シンポジウム 冨山の石材と玉髄・碧玉 予稿集』/2013)。あるいは、佐渡の赤玉石という名称があることから、「赤玉石」でも良いのかと思います。つまり、玉髄>碧玉>赤玉石ということのようです。
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