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特殊磨石 [縄文時代]

ちょっと前回より間が開いてしまいましたが、萩山遺跡の石器紹介No,7。今回は、特殊磨石と呼ばれる石器です。縄文時代早期の押型文土器に伴う特徴的な石器です。
IMGP5679.jpg
特殊磨石は、見た目は普通の磨石ですが、断面が楕円形・方形・三角形状の棒状を呈し、主要機能面は稜面で、その部分は磨耗痕または敲打痕が観察されます。使用痕部の側面観は水平で、断面観は凸局面となっています。形式名についている「特殊」については、何が特殊なのかその理由はよくわかりません。当初は穀摺石と呼ばれていました。
磨石または敲石として使用されたと推測される石器で、小林達雄氏は、「長軸方向を体に平行において、平板石皿の上で前後に動かした」と推測しています。
萩山遺跡は縄文時代早期撚糸文期の集落跡で、押型文土器も僅かに出土しており、それに伴うものと推測されます。
この特殊磨石と同様の使われ方をした石器に折損特殊磨石と呼ばれる石器が存在します。見た目は、スタンプ形石器と同じですが、特殊磨石同様稜面に使用痕が認められるものです。萩山遺跡ではスタンプ形石器が200点以上出土していますが、側縁に使用痕が認められるものが1点見つかっています。
IMGP5687.jpg
縄文時代早期に、中部高地を中心とする押型文土器に伴う「特殊磨石」「折損特殊磨石」と、関東地方を中心とする撚糸文土器に伴う「スタンプ形石器」があり、両土器様式間の交流を考える上で興味深い石器です。
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