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子母口式土器 [縄文時代]

現在整理作業を進めている、萩山遺跡。縄文時代早期の撚糸文式土器が多量に出土していますが、今回紹介する土器は、同じ早期でも後半段階に属する、条痕文系土器群の子母口式土器(しぼぐちしきどき)を紹介します。
この子母口式土器は、県内でもほとんどまとまった出土例がありません。絡条体圧痕文(らくじょうたいあっこんもん:細い縄を棒に巻きつけて押し付けた文様)というあまり聞きなれない文様を施文することを特徴とします。
IMGP2721.jpg
折り返し口縁の部分に、斜位に絡条体圧痕文が施文されています。
絡条体圧痕の施文箇所を接写したのが↓です。
IMGP2731.jpg
子母口式土器は、山之内清男氏(1902年 - 1970年)により、1930年に設定された土器型式ですが、層位的な根拠が得られず、山之内氏をもって「自信を以てこの式を説き得ない」とし、長い間、編年的な位置づけは確定していませんでした。この子母口式土器が層位的に確認され編年的位置づけが確定したのは、以外にもつい最近のことで、千葉大学考古学研究室によって調査された城ノ台南貝塚の報告書が刊行された1994年のことです。

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