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精緻な彫刻を求め続けた名彫刻師  小林源太郎 [熊谷の名工]

 飯田家と共に寺社仏閣の彫刻に秀でた小林家が江戸後期に熊谷市玉井に現れます。初代原八から源太郎、丑五郎、栄次郎、栄吉、義雄、貞雄らが昭和までに排出し、各地で腕を振るい多くの作品を残しています。
 特に源太郎は芸術家肌の面があり、40代半ばで家を出て旅先の土地で多くの寺社彫刻を製作しその地で生涯を終えています。手がけた彫刻は新潟県・群馬県に多々所在し、その地域の文化財となっている例もあります。源太郎の手掛けた彫刻は西福寺向拝彫刻(新潟県) 石部神社本殿彫刻(新潟県石地町) 弥彦神社向拝彫刻(新潟県) 榛名神社随神門彫刻(群馬県)などがあり、新潟では当時江戸の名工と言われた石川雲蝶との競作も伝えられます。
 源太郎は熊谷の出であることから熊谷源太郎とも呼ばれることが多く、新潟県与板町都野神社に示した見積書に当たる彫物仕様では「武州熊谷宿 彫工 小林源太郎』と署名が見えます。
 栄次郎は熊谷うちわ祭りの第一本町区山車彫刻や現在の武蔵国分寺本堂向拝の飛龍、獅子などの彫刻を残しいており、小林家の手がけた彫刻は関東一円に残されているようです。
参考、「熊谷人物事典」日下部朝一郎 編  木原 尚 1993 『越後の名匠 石川雲蝶』
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写真 源太郎の仕用書
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写真 秋葉三尺坊奥の院向拝彫刻(新潟県栃尾市)
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