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出土瓦から ―繕いの痕― [奈良平安時代]

 瓦は何千、何万を必要とするので、道具類の消耗や補給は日常的と思われ、敷布も破れ使用不能になる場合も想定されます。瓦工房では布が不足してすぐに交換できなければ、当座は繕い修理をして使い続けることになります。そのような事情を物語る布目瓦が実際に製作されたことは生産地である瓦窯跡でも確認されています。納入先の遺跡である「寺内廃寺」からも見つかっています。
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写真1では粗目の布と中目の布をつづり合わせています。

写真2では綴り合せた糸目の末が見えています。
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写真3 「かぎ裂き」か「ほころび」に方形の別布で「継あて」した痕が見えます。
kawara3-3.jpg
 寺内廃寺例のような布目瓦が他の寺院跡か瓦窯跡かあるいは他の場所で確認されることで、埋もれた歴史が掘り起こされることになるでしょう。平瓦は女瓦とも言いますから瓦姉妹の再会というべきでしょうか。

写真4 布継の残る平瓦 左下隅に指紋も残っていました。
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