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籾殻圧痕 [古墳時代]

11月に発掘調査を行なった、前中西遺跡。出土遺物の整理を進めています。
その中に、古墳時代の甕の口縁部に、籾殻の圧痕と推測される痕跡が確認できました。この圧痕は、土器を生成する過程でイネやアワの籾殻が付着し、焼成の際に籾殻自体が消滅して「圧痕」が土器に残ったものです。
↓の赤い矢印の箇所です。
IMGP3690.jpg
その箇所を接写したものが↓です。下のメモリは定規で、幅6mm程の大きさです。IMGP3688.jpg
弥生時代や古墳時代の土器に籾殻の圧痕がたまに観察されることがありますが、その痕跡は縄文土器にも観察されています。 
縄文土器における籾殻圧痕は、1931年に熊本県菊池郡のワクド石遺跡で出土した晩期の土器にその存在が知られていました。2005年には、熊本県本渡市の大矢遺跡から出土した縄文時代中期の土器に籾殻の圧痕が確認され、稲の栽培が縄文時代中期にもある程度行なわれていた可能性が指摘されています。
また、中世の「山茶碗」や近世の陶器製品の内面に、高台の畳付の部分に籾殻による圧痕が観察されることがあります。これは、焼成の際、製品を重ね積みするため、製品間や窯床との溶着防止のために籾殻が用いられたものです。

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