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有孔礫 [縄文時代]

萩山遺跡の石器紹介No,5。今回は、有孔礫。
自然石に穴のあいているだけの石で、用途は不明です。孔は、人為的にあけられたものでは無く、石の生成過程で異質の石材が混じり、転石過程でその部分が自然に抜け落ちたものと推測されます。
川原で見つければただの石ですが、萩山遺跡は、台地上に立地していますので、当時の人が川原で選別して運んできた石として、遺跡で出土すれば遺物となります。
IMGP2003.jpg
東京都府中市武蔵台遺跡でも撚糸文期の集落より、穴のあいた石が数点出土しています。ペンダントにしては重すぎますが、何らかの意図があって川原より採取してきたものと推測されます。

市内樋春地区には、「穴の薬師」と呼ばれる石仏があります。この薬師様は目の病気に大変あらたかで、目の病気が治るように願を掛け、治るとそのお礼として穴のあいた石を奉納したといい、石仏の周りには穴のあいた石が多数あります。
IMGP1993.jpg
中々見つからない穴のあいた石を見つけ奉納する行為が、病気を治してもらったことへの代価になっていると推測されます。↓は、奉納された石の一つです。萩山遺跡出土品と良く似ています。当時の人も穴のあいた石に何らかの価値観を見いだしていたのかも知れません。
IMGP2001.jpg
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