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中世石造物調査 [中世]

本日、今年度11回目となる、市史編さん事業に伴う中世石造物調査を行いました。
6名で2班に分かれ、市内の妻沼、大塚、下川上、奈良地区の寺院、個人宅の調査を行いました。
↓は、妻沼の歓喜院本坊の門前に所在する、埼玉県指定有形文化財(考古資料)「板石塔婆(善光寺式三尊像)」の拓本をとっているところです。
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 この板石塔婆は、昭和30年頃、妻沼小学校の校庭から移設されたものです。高さ178cm、幅59cm、厚さ12.5cmを測ります。表面には深く光背が彫り込まれ、蓮台に乗った阿弥陀三尊像が彫られています。製作年代については銘文等が摩耗しており不明ですが、いわゆる善光寺式の阿弥陀三尊像の形式から鎌倉時代の中頃と推定されます。
↓は、裏面の拓本をとっているところです。裏面には、釈迦三尊の種子が刻まれています。
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↓は、歓喜院境内で行われている「めぬま菊花大会」に展示されている、菊人形「斎藤別当実盛公」です。
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3D PDF [中世]

デモで、埼玉県指定有形文化財 考古資料「板石塔婆」の3Dデータを頂きましたので紹介します。
資料は、妻沼地内に所在する、板碑(笠塔婆)で、表に善光寺式三尊を浮彫り、裏に釈迦三尊の種子を刻んでいます。この資料を、レーザー計測ではなく、デジカメで撮影し、3Dデータを作成したものです。
↓は、板碑表裏面のグレーサーフェイスサンプル画像です。
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3D画像は、こちら(2.7MB)からダウンロードしてご覧ください。3D PDF形式となっていますので、Adobe Readerにてご覧いただけます。マウスをドラックすると画像が回転します。
*PDFファイルを開いても画像が表示されない場合は、画面中央で「右クリック」→「マルチメディアをフルスクリーン表示」を行ってみてください。

中世石造物調査 [中世]

本日、市史編さん事業に伴う、中世石造物調査を行いました。8名で、2班に分かれ、大里地域の冑山、箕輪、玉作、小八林等の地区の寺院、墓地、個人宅の調査を行いました。
↓は、熊谷市指定有形文化財建造物「根岸家長屋門」での調査風景です。
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↓は、個人宅で調査した板碑です。天正16年(1588)の年号が刻まれており、市内では最も新しい板碑と思われます。
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↓は、冑山地内に所在する祖霊社の墓地にある熊谷市指定記念物 史跡「寺門静軒の墓」です。円柱形の珍しい形をしています。
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寺門静軒(1796-1868):江戸小石川水戸藩邸内に生まれる。江戸時代の儒学者。江戸駿河台に克己塾を開いて子弟を教育し、著書である「江戸繁昌記」がベストセラーとなったが、風俗を乱すものとして江戸追放となり、各地を流転。奈良・四方寺の吉田家などに寄寓しながら、安政6年に妻沼・歓喜院に入り「両宜塾(りょうぎじゅく)」を開きました。その門弟には竹井澹如、石川弥一郎らがいます。鎌倉町・石上寺に寄寓後、晩年は親交深い根岸家に身を寄せ、邸内の三余堂で塾生を指導していました。

中世石造物調査 [中世]

本日、市史編さん事業に伴う、中世石造物調査を行いました。午前中は、7名で円光、上之地内の寺院の調査を行い、午後は2班に分かれ、星川、筑波、箱田地内の寺社の調査を行いました。
↓は、円光の大原墓地での調査風景です。
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この大原墓地には、不遇の歌人安藤野雁(あんどうぬかり:1815-1867:江戸時代後期の国学者・歌人)のお墓があります。安藤野雁の「酔いみだれ 花にねぶりし酒さめて さむしろ寒し 春の夕風」との歌碑は、荒川大橋脇の土手の上に、昭和29年に建立されています。
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この他、珍しい石碑として、「解剖百霊供養塔」があります。明治時代に、検体として、遺体を医学のために役立てた方々に対する供養塔です。
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中世石造物調査 [中世]

本日、市史編さん事業に伴う中世石造物調査を行いました。午前中は、市内村岡、楊井地区の寺院・墓地を2班9名で行い、午後は、中世石造物部会の会議を行いました。
↓は、村岡地内の墓地で板碑の拓本をとっているところです。
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2基の板碑が建てられていますが、前面のものは、六面幢です。六面幢は、6枚の緑泥片岩を六角形に組み合わせ、その上に笠石を載せる形態をとりますが、今回確認したものは、その中の1枚です。主尊には、観音一尊の梵字が刻まれ、その下には嘉慶二年(1388)の年号が刻まれています。市内での確認は初めてとなります。台石には、戦国期の宝篋印塔の部材が使われています。
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中世石造物調査 [中世]

本日、市史編さん事業に伴う、中世石造物調査を行いました。7名で、2班に分かれ、市内村岡・万吉地内の寺院や個人墓地の調査を行いました。
↓は、村岡地内に所在する熊谷市指定有形民俗文化財「茶臼塚板石塔婆」の拓本の採拓を行っているところです。市内最大の板碑で、高さ3.16mを測ることから、脚立をたてて、全紙の画仙紙3枚に分割して拓本をとりました。文永10年(1273)の銘が刻んであります。
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上部には阿弥陀三尊が梵字で、下部の願文には、9人の子供が亡くなった父と存命する母のために建てたと刻まれています。
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中世石造物調査 [中世]

本日、今年度4回目となる、市史編さん事業に伴う中世石造物調査を実施しました。
今回は7名で、午前中は、村岡の高雲寺の調査を行いました。
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↑は、「南無阿弥陀仏」の名言を刻んだ、貞和二年(1346)銘の板碑です。今までは、「仏」と刻まれた下部しか確認されていませんでしたが、今回の調査で「南無阿弥陀」と刻まれた上部2破片を確認することができました。
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↑は、「湖東山高雲寺」と刻まれた門柱石です。側面には「大正震災横死者供養塔」と刻まれています。大正震災とは、大正12年(1923)9月1日 午前11時58分44秒に、関東地方を襲ったいわゆる関東大地震のことで、裏面には大正13年に建てられたことが記されています。「横死者」とは、事故・殺害・天災など、思いがけない災難で死ぬこと、不慮の死、非業の死をとげた人のことです。門柱石と供養塔を兼ねている珍しい例です。
午後は、万吉(まげち)地内の見性院、如意輪寺、観音堂の調査を行いました。
↓は、如意輪寺に建つ、13世紀中頃の初発期の板碑です。荒川右岸の本地域周辺は、初発期の板碑が多く分布する地域です。
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中世石造物調査 [中世]

本日、今年度3回目となる、市史編さん事業に伴う中世石造物調査を実施しました。
今回は6名で、市内の久下・戸出地域の寺院・墓地の調査を行いました。
午前中は、久下の長福寺・東竹院の調査を行いましたが、強風のため、屋外での拓本採拓は行えず、久下公民館に板碑を運び込み、記録作業を行いました。
午後は、戸出地内の墓地にて調査を行いました。↓
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また、長福寺では、亀田鵬斎(かめだぼうさい)書の庚申塔を確認しました。
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亀田鵬斎(1752-1826)は、江戸時代後期の儒学者・書家・文人で、「寛政異学の禁」により、山本北山、冢田大峯、豊島豊洲、市川鶴鳴とともに「異学の五鬼」とされてしまい、千人以上いたといわれる門下生のほとんどを失っています。
その後、各地を流浪し、60歳で江戸に戻るとその書は大いに人気を博し、人々は競って鵬斎の書を求めました。
鵬斎の書は現代欧米収集家から「フライング・ダンス」と形容され、空中に飛翔し飛び回るような独特な書法で知られています。「鵬斎は越後がえりで字がくねり」という川柳も残されています。
また、鵬斎は心の優しい人柄でも知られ、天明3年の浅間山大噴火による難民を救済するため、すべての蔵書を売り払いそれに充てたり、赤穂浪士の忠義に感じ、私財を投じて高輪の泉岳寺に記念碑を建てたり、定宿としていた浦和の宿屋の窮状を救うため、百両を気前よく提供したという逸話も残っています。
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中世石造物調査 [中世]

本日、市史編さん事業に伴う、中世石造物調査を、5名2班体制で行いました。
市内の、吉岡、手島、屈戸、恩田、中曽根、替津田地区の、石造物の所在確認を行いました。
↓は、替津田地内の墓地で見つかった、弘安六年(1283)の年号が刻まれた板碑です。上部は欠損していますが、幅70cm程ある大型の板碑です。
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↓は、沼黒の正福寺で発見した中世の茶磨の上石です。安山岩製で、台座文様は菱形です。利根川の転石を使用して作られた、在地系の茶磨です。
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↓は、昼食で立ち寄った立正大学内の食堂の壁に貼られていた陶板のレリーフの一部です。作品名は「埴輪幻映」。
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また昨日、本ブログの総閲覧者数が240,000人を超えました。今後ともよろしくお願いします。

中世石造物調査 [中世]

本日、市史編さん事業に伴う中世石造物調査を行いました。7名2班体制で、市内の箱田・鎌倉町・久下・石原・広瀬地域の調査を行いました。
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↓は、箱田地内の蓮昭寺境内に建てられている宝篋印塔です。笠部から上の相輪部分が、かなり積まれており、総高3m程の塔になっています。
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↓は、鎌倉町の石上寺の軒先瓦です。軒丸瓦には、桜の花の文様が付けられています。
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