SSブログ

遺物整理の現場から 6 ―瓦の接合作業― [整理作業]

 出土品の整理にはいくつかの工程がありますが、土器などを元の形に復元し修復する作業はある意味、楽しいものです。文様のつながる破片を探し出し、元の形を想像しながら破片を接合し組上げる作業から、壺や甕や埴輪が再生されていくのです。経験豊富な調査員はこの破片が原形のどこの部分であったかを即座に想定し、接合する破片を探します。
 ズバリと的中し形が見えてくると思わず歓声が出でしまうこともあります。
 多数のピースから全体を作り上げる作業を究極の神経衰弱ゲームに例えるられるようです。ただ、出土品のピースはいつも全部が揃っているわけではないので、どうしても欠けた部分が出てきてしまいます。この場合には石膏などで補填し、補彩して一応完成とします。博物館などで完品の資料が展示されている場合、どの部分がそうなのか良く観察される事は大切なことです。
 写真は、寺内廃寺の丸瓦(男瓦)の接合風景です。文字通り瓦礫の山から一片を探し当てる作業を職員は続けています。似たもの同士の破片では、色合い・厚み・ケズリ・ナデの特徴などから類別していくのですから、試行錯誤の接合作業ではいつの間にか軍手にも穴が開きます。
image001s.jpg image002s.jpg

nice!(0)  コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。