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熊谷の名工の足跡を辿るー雷電神社ー [建造物]

 群馬県邑楽郡板倉町にある雷電神社は、江戸時代後期を代表する神社建築です。
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 現存する社殿は、天保6年(1835)に建立されました。その造りは、拝殿と本殿を「石の間」と呼ばれる幣殿で繋いだ、いわゆる権現造りで、屋根は瓦棒銅板葺となっています。
 大工棟梁を務めたのは、武州川俣村の三村和泉守、彫刻を手掛けたのが上州花輪村の石原常八父子(二代目・三代目)です。石原常八父子(二代目・三代目)は、三村家から妻沼の林家に養子に入った林家五代目・正道と共に妻沼聖天山の貴総門(国指定重要文化財)を造営したことでも知られています。
 本殿には緻密な彫刻が施され、白木彫りの柱や長押と極彩色に彩られた見事な彫刻群が融合しています。
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 本殿右側胴羽目彫刻 素戔嗚尊(すさのおのみこと)の大蛇退治
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 本殿右側胴羽目彫刻 大志王夫人
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 本殿背面胴羽目彫刻 神功皇后
 本殿左側には「浦島太郎」の彫刻が施されています。
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 また、下段の腰羽目彫刻には、獅子舞や凧上げ、鰻とりをする唐子遊びの様子が刻まれています。

 社殿は、昭和61年から平成元年にかけて彩色の保存修理が行われています。
 雷電神社社殿は、昭和59年12月に県指定重要文化財となっています。また、雷電神社には11枚の棟札があり、そのうちの2枚(天保6年と天保13年)が県指定となっています。
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 境内には、社殿を囲むようにたくさんの蝋梅が植えられ、甘い香りが漂っていました。

 

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