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熊谷の名工の足跡を辿るー箭弓稲荷神社ー [建造物]

 箭弓稲荷神社は、埼玉県東松山市に所在し、東武東上線東松山駅から徒歩3分ほどのところにあります。創建は古く和同5年(712)と伝えられ、歴代松山城主や川越城主からの崇敬が厚く、江戸時代には庶民にも広く信仰されました。
 社殿は、本殿と拝殿を石の間でつないだ権現造で、天保6年(1835)に造営されたといわれています。
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 拝殿の彫刻を手がけたのは、飯田仙之助です。飯田仙之助は上州花輪村(現在の群馬県みどり市)で生まれ、大里郡川原明戸村(現在の熊谷市川原明戸)に移住して活躍した人物です。飯田家は、国宝・歓喜院聖天堂の彫刻を手がけた彫刻師・石原吟八郎のもとで修業を行ったともいわれています。
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拝殿向拝、水引虹梁上の目貫龍
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拝殿の海老虹梁と手挟み
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柱の地紋彫にも龍が彫られています。

 また、本殿の彫刻を手がけたのは小林源八正信です。小林源八正信は、幡羅郡玉井村(現在の熊谷市玉井)に住み、初代小林源八を名乗りました。花輪村の石原吟八郎を継いだ2代目石原吟八に師事したといわれています。初代小林源八を継いだ2代目小林源太郎は「関東の名工」と称され、榛名神社双龍門など多くの作品を後世に残しています。
 箭弓稲荷神社は、県指定有形文化財となっています。
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本殿花頭窓の二龍
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本殿縁の下持ち送りの龍
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本殿大羽目彫刻の仙人たちが囲碁に興じる様子

 社殿の周りには、説明板が設置され彫刻の題材についてわかりやすく解説されています。

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