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真言宗智山派 慈雲山 真観寺 [その他]

 行田市大字小見に所在する真観寺。先月、源宗寺本堂建て替え工事の参考視察のためお伺いした、行田市白川戸の西明寺のご住職様が兼務されている寺院です。
 仁王門をくぐると正面に現れるのが観音堂。この堂内には、ご本尊である聖観音像が安置されています。像高103㎝、檜の寄木造で漆箔が施され、平安時代末期の仏像の代表作として、県指定有形文化財となっています。ご本尊は、12年に一度、午年に御開帳されるそうです。
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 観音堂は高床式となっており、床の高さが1メートルほどあります。床下を覗くと形や大きさの不揃いな礎石が並ぶ中に、正方形の形の整った礎石が所々に見られます。形の整った礎石は、後世につけ足されたもののようです。
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 観音堂の裏手には、国指定史跡となっている小見真観寺古墳があります。
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全長102m、高さ8mの埼玉県で4番目に大きい前方後円墳です。後円部と鞍部の2か所に、横穴式石室があります。階段を上がると、足元に石室の閉塞に使用されていたと思われる、大きな緑泥片岩の板石が現れます。
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 後円部の石室は、寛永11年(1634)に、鞍部の石室は明治13年(1880)に発見されました。鞍部の石室からは金環、鉄製刀子(とうす)、金銅装頭椎太刀(かぶつちのたち)、銅鋺(どうわん)などが発見され、これらは東京国立博物館に所蔵されています。
 小見真観寺古墳は、昭和6年(1931)に国の史跡に指定されるまで多くの研究者の注目を集めたようです。大里村(熊谷市)の好古家・根岸武香もその一人です。根岸武香は、明治期に第2代県会議長として政治の世界で活躍し、吉見百穴の発掘に関わるなど考古学の分野でも大きな功績を残した人物です。
 近年の発掘では、埴輪の破片が多く発掘され、また出土遺物などから6世紀末か7世紀初め頃に築かれた市内で最も新しい前方後円墳ではないかという推測もされているようです。



参考文献
埼玉県立歴史と民俗の博物館 2014 『わくわく埼玉県歴史ロマンの旅』学陽書房
参考URL
https://www.city.gyoda.lg.jp/41/03/10/bunkazai_itiran/omisinkanjikofun.html(行田市ホームページ)
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