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埼玉県唯一の「戦災指定都市」熊谷の特集記事:「埼玉土建」機関紙 [戦跡]


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熊谷市は終戦直前に米軍による句集を受けた都市として、埼玉県唯一の「戦災指定都市」となっています。本年は戦後75年特集として戦争に思いをめぐらす機会が増えています。
「埼玉土建一般労働組合」の機関紙の戦争特集として、米軍資料からの調査などが掲載されました。
記憶の風化が叫ばれる今日、戦争の情報を記録する必要性が高まりを見せています。





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真言宗智山派 慈雲山 真観寺 [その他]

 行田市大字小見に所在する真観寺。先月、源宗寺本堂建て替え工事の参考視察のためお伺いした、行田市白川戸の西明寺のご住職様が兼務されている寺院です。
 仁王門をくぐると正面に現れるのが観音堂。この堂内には、ご本尊である聖観音像が安置されています。像高103㎝、檜の寄木造で漆箔が施され、平安時代末期の仏像の代表作として、県指定有形文化財となっています。ご本尊は、12年に一度、午年に御開帳されるそうです。
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 観音堂は高床式となっており、床の高さが1メートルほどあります。床下を覗くと形や大きさの不揃いな礎石が並ぶ中に、正方形の形の整った礎石が所々に見られます。形の整った礎石は、後世につけ足されたもののようです。
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 観音堂の裏手には、国指定史跡となっている小見真観寺古墳があります。
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全長102m、高さ8mの埼玉県で4番目に大きい前方後円墳です。後円部と鞍部の2か所に、横穴式石室があります。階段を上がると、足元に石室の閉塞に使用されていたと思われる、大きな緑泥片岩の板石が現れます。
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 後円部の石室は、寛永11年(1634)に、鞍部の石室は明治13年(1880)に発見されました。鞍部の石室からは金環、鉄製刀子(とうす)、金銅装頭椎太刀(かぶつちのたち)、銅鋺(どうわん)などが発見され、これらは東京国立博物館に所蔵されています。
 小見真観寺古墳は、昭和6年(1931)に国の史跡に指定されるまで多くの研究者の注目を集めたようです。大里村(熊谷市)の好古家・根岸武香もその一人です。根岸武香は、明治期に第2代県会議長として政治の世界で活躍し、吉見百穴の発掘に関わるなど考古学の分野でも大きな功績を残した人物です。
 近年の発掘では、埴輪の破片が多く発掘され、また出土遺物などから6世紀末か7世紀初め頃に築かれた市内で最も新しい前方後円墳ではないかという推測もされているようです。



参考文献
埼玉県立歴史と民俗の博物館 2014 『わくわく埼玉県歴史ロマンの旅』学陽書房
参考URL
https://www.city.gyoda.lg.jp/41/03/10/bunkazai_itiran/omisinkanjikofun.html(行田市ホームページ)
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熊谷市名勝「星溪園」での東京藝術大学メンバーによる邦楽演奏の撮影 [記念物]


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熊谷市出身で、東京藝術大学音楽学部卒業、同大学院音楽研究科邦楽専攻三味線音楽研究分野(長唄)の三井千絵さんを中心とした同大学の邦楽専攻のメンバーによる演奏映像の撮影会が、熊谷市名勝「星溪園」で行われました。邦楽の各楽器による音源を事前に収録し、その音に合わせて演奏している動画を撮影するというプロジェクトで、梅雨明けした星溪園の緑豊かな風景とコラボレーションする映像作品の制作となりました。撮影は同大学映像研究科学生が担当しました。久しぶりの熊谷らしい暑さの中での撮影となり、演奏者も水分補給しながら収録に臨んでいました。今後編集され、YouTubeプレミアムで公開される予定です。





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源宗寺 御札の配賦 ー宗派を超えての支援に感謝ー [お知らせ]

 いまだ予防薬(ワクチン)も治療薬も無い新型コロナウイルスとの戦いは、先が見えず、多くの人が精神的・経済的な不安を抱えながら生きています。病になれば祈るしか手立てがなかった平戸の大仏が生かされてきた時代と酷似しています。
 源宗寺護持会では、「こういう時にこそ、平戸の大仏に心を寄せてくださった皆様に、無病息災と傷病平癒をお祈りしその思いをお届けしたい」という思いから、寄付をいただいた皆様に御札を配賦する事業を始めることといたしました。
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 御札の作成に当たり、昨年の4月に行われた妻沼聖天山歓喜院聖天堂の秘仏御開扉の際に、参拝者に配賦された御札を参考にさせていただきました。妻沼聖天山歓喜院の鈴木英全ご院主様には、源宗寺本堂保存修理委員会委員長並びに事務局長が事前にご挨拶に伺い、御札の作成についてご承諾をいただきました。歓喜院様には、当事業開始時より寄付に多大なるご協力をいただいております。鈴木ご院主様からは、秘仏御開扉の際に配賦された御札全7種類を参考にとご用意いただき、「お使いいただければ、大変幸せです。」と背中を押していただき、応援していただきました。

 御札のデザインは、全部で4種類です。そのうち3種類は、聖天堂のものを参考に作成。もう1種類は立正大学仏教学科の秋田先生、地理学科の原先生のゼミ生の皆さんにご協力いただき、アイディアを出していただいたものの中から1つを採用させていただきました。

 御札は、今週8月15日(土)、源宗寺本堂にて午後12時より東竹院の岸ご住職様により御祈願いただき、ご寄付をいただいた皆様に郵送にてお送りする予定だそうです。


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残暑お見舞い お茶席の風景から [紀行]

残暑お見舞い申し上げます。

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 立秋を迎えましたが、実際の気温と暦にはズレがありますね。早朝や日暮れに吹く風の中に、感覚を研ぎ澄ましていると、微かに秋の気配を感じ始める頃、というのが立秋本来の意味です。夏の茶室には、解読に頭をひねるような根気の要るものではなく、さらりとしたものを掛けたくなります。

 今日は、白紙讃(賛)の「涼しさは たぐひも更に夏山の 峰より落る音なしの瀧」。
「白紙の讃」は、茶掛の一種で、書画のないものに讃のみを書いたものです。茶室の床の間に掛けられている掛け軸は、道具の中で最も重要視されていて、その日の茶会の主題を提示しています。禅宗の高僧の揮毫による墨跡や、色紙、短冊、消息、唐画や古画、歴代の家元の字句や画讃などがあります。白紙讃には、余白に何を感じ、思い描くかという楽しみがあり、そこは自分だけの自由な空想の空間となります。
家元(表千家)では毎月の一日は千家十職がたの定例の集まりの日ですが、八月は八朔の名で月の初日となります。

 江戸開府に先立って、天正十八年(一五九〇)の八月一日に、徳川家康が江戸城に入りました。将軍家の歴史を回顧する日として、江戸幕府には祝いの大切な日となります。家康の十男、南龍院徳川頼宣が和歌山に入り、表千家四代江岑宗左が寛永十九年(一六四二)に出仕を始めます。三代宗旦は千利休の孫に当たります。青年期に利休自刃と一家離散を目の当たりにしており、千家再興の後も、自身は大名家に仕官はしませんでしたが、時代が移り、徳川幕府の支配体制の下では余儀もなく、三人の息子を其々大名家に仕官させました。紀州歴代の藩主は茶の湯に造詣が深く、家元行事は南紀徳川家の例に倣うことが多くなります。

 身近なところですと、八月の大きな行事に「お盆」があります。古くからあった先祖供養の風習と、中国仏教の「盂蘭盆会」が時を経て交わり、日本独自の行事へと変化したものです。盂蘭盆会とは、「ウラバンナ(逆さ吊り)」というサンスクリット語を漢字で音写したものです。それが転じて「逆さまに吊り下げられるような苦しみに遭っている人を救う法要」という意味になったとされています。当初は朝廷儀式であったため、上層階級の人たちだけが行うものでしたが、江戸時代になって、仏壇や盆提灯に使われる蠟燭などが普及したことから、庶民でも先祖供養に使用する道具をそろえることができるようになりました。こうして今でも、先祖を供養する儀式が受け継がれています。
お盆のころから急に見かけるようになる蜻蛉は、先祖の霊をしょって来るということで、「精霊蜻蛉」と呼ばれます。特定の蜻蛉をさす名前ではないようですが、黄色っぽい体に薄い羽、懐かしそうに、同じところを飛び交っています。

 立秋から数えて十五日目ころには処暑を迎えます。暑さが和らぐという意味があり、秋が近づき、穀物が実り始める時期でもあります。

しのぎよい季節が、そこまで来ています。どうぞお健やかにお過ごしくださいませ。


熊谷市文化財保護審議会委員 
表千家講師  笠原みおり


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テレビ放映情報(BS朝日「建物遺産―歴史的文化財を訪ねて」―重要文化財「平山家住宅」―) [建造物]

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撮影風景

 毎週日曜の午後10時54分~午後11時00分に放映されているBS朝日「建物遺産―歴史的文化財を訪ねて―」において、熊谷市樋春に所在する重要文化財「平山家住宅」が紹介されます。

 この番組は、日本各地の歴史的建造物や文化財建造物、モダン建物、近代和風建築などを紹介する内容で、本年4月~5月には、国登録有形文化財「坂田医院旧診療所」、国登録有形文化財「日本聖公会熊谷聖パウロ教会」、国宝「歓喜院聖天堂」、重要文化財「貴惣門」など熊谷の歴史的建造物が放映されました。そして、7月に重要文化財「平山家住宅」の撮影があり、8月16日(日)に放映されることになりました。この放送によって、現時点で本市に所在する国指定・国登録有形文化財の建造物の紹介はコンプリートとなります。

 重要文化財「平山家住宅」は、江戸時代中期の18世紀初頭に豪農の平山氏によって建立されたと伝わる民家住宅で、規模大きい茅葺屋根が特徴です。屋根は概ね四半世紀ごとに素材の交換や葺き替える必要があり、建造物全体の保存のために重要な作業となります。現在は今後の葺き替えに向けて準備を進めているところです。

 今回、広い土間や板の間の雰囲気を生かすために、室内で保管されていた道具類や日用品などを室外に移動し撮影に臨みました。また、映像では室内上部で複雑に交わる丸太の梁(はり)の構造に着目した内容となっています。撮影風景を別添しました。ご参照ください。

概要
1 番組名 「建物遺産―歴史的文化財を訪ねて」 重要文化財「平山家住宅」
2 放送局 BS朝日
3 放映日時 令和2年(2020)8月16日(日曜)
         午後10時54分~午後11時00分

(放映の延期、予定が変更される場合もあります。)
詳細は同番組ホームページをご確認ください。


担当:江南文化財センター 電話048-536-5062

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源宗寺の清掃 [仏像]

 8月2日(日)、早朝より熊谷市平戸の源宗寺で、護寺会の皆さんによる清掃活動が行われました。毎年、お盆前に各自、お墓の清掃と護寺会役員による源宗寺本堂の清掃が行われます。
 本堂内部に鎮座する約4メートルに及ぶ薬師如来と観音菩薩の2体の木彫大仏坐像(通称「平戸の大仏」)も、毎年、ほこりを払い、台座や膝の上、大きな手など人の手が届く範囲は、水を固く絞った雑巾で磨かれます。
 今年度中には、老朽化した本堂の解体を開始し、新たな本堂が建設される予定です。現存する本堂で清掃をするのも、これが最後の機会となります。護寺会の皆さん一人一人が心を込めて清掃を行っていました。
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 午後からは、「平戸の大仏一般公開」を行い、多くの方が参拝にいらっしゃいました。唐破風向拝正面の蟇股彫刻の文字についてお話をされている方もおり、当ブログをチェックしていただき、大変うれしく思います。
 また、源宗寺の御札事業にご協力いただいている立正大学の学生さんもお見えになり、初めて見る2体の大きな木彫大仏坐像に驚いていました。
 
 来週8月15日は、午前11時より源宗寺本堂にて施餓鬼を行った後、午前12時より東竹院の岸ご住職様により、コロナ禍の早期の収束と市民の皆様の健康を祈願して法要が行われます。350年続いた今の源宗寺本堂での最後の法要になります。祈願した御札をご寄付をいただいた皆様に配布する予定だそうです。
 第3日曜日16日の一般公開は、お盆のためお休みとなり、次回の「平戸の大仏一般公開」は、9月6日(日)を予定しております。
 今後の一般公開の詳細につきましては、源宗寺本堂保存修理委員会のHPでも随時更新していく予定ですので、併せてチェックしていただければと思います。


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一般社団法人 社寺建造物保存技術協会 研修会 国宝「歓喜院聖天堂」保存修理事業及び国内の彩色修理事業の保存を主題として【妻沼聖天山】動画配信 [建造物]



本年2月に妻沼聖天山で開催された一般社団法人 社寺建造物保存技術協会 研修会 《国宝「歓喜院聖天堂」保存修理事業及び国内の彩色修理事業の保存を主題として》の様子を動画撮影し、江南文化財センターのYouTubeサイトで配信しています。全国で社寺建造物の彩色復元等の作業を担う技術者向けの研修会で、高度な技術の伝習を含めた内容になっています。幾分か難易度の高いものとなっていますが、ご参照ください。


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里山の花と荒廃 やまゆりと立ち枯れの赤松 [花]

 ここ何年か、太陽光発電施設の造成などで市内の里山を刈り払い遺跡所在確認のため大規模面積の試掘調査を実施する機会が増えました。10年ひと昔と云いますが、里山の荒廃は10年以前からもっと進んでいるように思えます。赤松はほとんど枯死し、杉・檜は成長の早い椋などに追い越され細く長く頼りなさそうに立ちすくんでいるようでした。昆虫鳥類などのいきもの住処、雨水の貯留、地下水の涵養、蒸散による気温の安定、人心に与える緑地としての安心感、野外学習の場など様々の効用が思い浮かびます。里山の自然はかつての日本の原風景なのですが、目先の経済性に後押しされ消滅します。
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積み上げられた立木  ヒノキ 杉 ナラ 椋 など 枯死した赤松
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 3つの杉の切株はたこ足のように不定形です。いずれも60年以上の成長が想定されます。最初の30年ほどはきれいな同心円状の年輪が観察されますが、今から30年前頃から北側に成長している点です。通常管理された植林は円形の幹に成長しますが、このように変形成長を示すことは生育環境の悪化に必死に適応した姿と考えられます。
 閑話休題
 この季節里山に清楚に咲く花に「やまゆり」があります。山の荒れるに伴いその数を少なくしていますが、今年も会えました。
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 ヤマユリの花言葉
「荘厳 威厳 純潔 飾らない美
 飾らない愛 人生の楽しみ 高貴な品性」
など
 この時期滑川町の武蔵丘陵森林公園内に
保護された群生地を見ることができます。
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星溪園の屋外トイレ屋根の修繕工事 [記念物]


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5月に落下木により毀損を受けた熊谷市名勝「星溪園」の屋外トイレ屋根の修繕工事を実施しています。
この屋根は社寺建築に用いられる銅板葺き屋根であり、修復費用も多額になることが見込まれたために、臨時的な補修として別の鋼板を嵌め込むなどの方法が採用されています。現在、修理終了まで一部トイレの使用は中止となりますが、ご理解ご協力のほど宜しくお願いいたします。



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