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福島 喜多方の旅 ー會津大仏を訪ねてー その1 [仏像]

 福島県喜多方市にある願成寺を訪れたのは昨年の11月。現在進行中の源宗寺本堂保存修理事業の参考視察のため、当事業にご協力いただいている吉備文化財研究所の牧野隆夫先生から願成寺についてのお話を伺ってのこと。牧野先生は、「仏像の町医者」と呼ばれ、これまで全国各地で約300体もの仏像修復を手がけられています。牧野先生が修復を手がける仏像の多くは、国からの補助金が手厚く、きちんと保存管理されてきた国宝級の仏像とは違い、地方にあって、補助金も手薄で保存管理もままならず、放置されてきた仏像たち。
 牧野先生が修復を手がけたうちの一つが、福島県喜多方市にある願成寺の阿弥陀三尊像です。通称「會津大仏」と呼ばれています。
 現地では、ご住職様と寺院関係者の秋葉様が温かく迎えてくださり、境内を案内してくださいました。
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 光背の千体化仏で有名な阿弥陀如来座像を中尊とする観音菩薩像、勢至菩薩像の阿弥陀三尊像は、昭和52年に鉄筋コンクリート造りの収蔵庫である今の大仏殿に旧御堂から移設されました。
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 會津大仏の収蔵施設である御堂は、御堂の中に三畳ほどのガラスの部屋を作って、朝の開錠から夕方の施錠まで、そこから何時でも誰でも仏像を見られる工夫がなされています。また御堂の内部は、様々な法要が執り行えるよう手前半分が畳敷きとなっており、仏像を囲むようにして回廊スペースが設けられ、裏側まで仏像を間近に拝観することができます。
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 昨年10月から毎月2回の一般公開を行っている源宗寺ですが(4月、5月はコロナウイルス感染拡大防止のため中止となっています)、保存管理の安全上、普段は扉に鍵のかかった状態で日常的に平戸の大ぼとけを拝むことは困難な状況にあります。
 本堂の修繕を機に、現状を改善し、平戸の大ぼとけが市内、近隣地域の方々に開かれ、より身近な存在になればと思っております。
 願成寺の大仏殿の視察は、源宗寺の本堂の設計や公開における今後の体制のあり方について深く考える機会となりました。


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