長島記念館でのモーリス・ユトリロ作品の特別展示 [絵画史]
モーリス・ユトリロ《サン・リュスティック通り、モンマルトル、冬》(1933)
長島記念館石蔵にある美術展示室。中央の絵画がユトリロ作品。
20世紀前半のフランスで活躍した画家モーリス・ユトリロの絵画が、熊谷市の長島記念館で展示されています。昨年、長島記念館を管理する公益財団法人長島記念財団が、ユトリロの絵画「サン・リュスティック通り、モンマルトル、冬」を購入し、1933年頃に制作された縦61×横50センチの油彩画です。来年春まで1年間の展示を予定しています。
ユトリロ(1883〜1955)は、パリ出身で生まれ育ったモンマルトルの街路風景などの作品を多数描き、「エコール・ド・パリ」の筆頭格として活躍しました。影響を受けた画家も多く、独特の筆致に対する評価は高いものがあります。
長島記念館は埼玉銀行(現在の埼玉りそな銀行)頭取を務めた長島恭助(1901〜1992)の生家で、主屋や石蔵などが保存されています。1993年、記念館としてリニューアルされ、長島家のコレクションだった横山大観や須田剋太らをはじめとする近代絵画や渋沢栄一の書などの収集美術品を展示しています。2019年3月には、長島記念館の敷地全体を熊谷市の名勝に指定しました。
同財団常務理事の田沼利将さんは「今回のユトリロの絵画など貴重な絵画展示を年間通じて開催しているのでぜひ来場してほしい」と話していました。
開館は午前10時〜午後4時、入館料は大人300円、小中学生100円、月曜と木曜が休館。
問合せ 長島記念館 電話0493・39・2025