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池上遺跡発掘調査について(ほ場整備事業) その4 [発掘調査]

 今回は水に関わる祭祀についていくつかお話いたします。
この池上遺跡は、その名のとおり水に関する地名です。池上は低地の各所に池が存在していたことからついた名であると想定でき、昭和初期には複数の沼があったことを近隣の古老から聞き、現在でも「湯釜」などの地名が残っていることから、水の豊富な場所であったことが窺えます。
 このことは、これまでの2年間の池上遺跡の発掘調査で身をもって体験することになりました。
現在でも、この池上地区は地下水が豊富で発掘調査時は毎朝の調査区の水抜きから始まります。夏季期間や、台風の時期では一面が湖のような様相になります。
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水没した発掘調査地点

 このような場所で昔は、祭祀をおこなっていたと考えられます。今回の調査ではそれに関わる祭祀遺構がいくつか検出しています。湧泉痕がある方形の土坑があり、そこから桃の種、墨書土器、臼玉が検出しています。これらが出土することから、湧泉祭祀遺構と推定でき、水辺の祭祀を当時おこなっていたことが思い描かれます。
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上:湧泉祭祀遺構 下:検出した臼玉
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