熊谷市名勝「星溪園」の解説動画の公開について [記念物]
熊谷市名勝「星溪園」の歴史、庭園及び建造物の概要を解説した動画を作成し、YouTubeの江南文化財センターのページにおいて公開を開始しました。星溪園全体の解説及び園内の風景などを、昨年から今年にかけて撮影し、約25分に編集しました。動画のURLは、https://m.youtube.com/watch?v=Tr5N7GtAxxI です。Youtubeサイトから江南文化財センターのページを検索していただき、動画一覧からご確認ください。
【星溪園の概要】
元和9年(1623年)、荒川の洪水により、現在の星溪園の西方にあった北条堤が決壊して池ができ、清らかな水が湧出し「玉の池」と呼ばれるようになりました。
明治時代初頭に、熊谷宿本陣の当主で同地域の発展に寄与した竹井澹如(1839〜1912)の発案で、同地の「玉の池」を中心に木や竹を植え、名石を集めて回遊式庭園が作られ別邸が建造されました。明治時代には皇室や政界人などが訪れました。
昭和時代初期に「星溪園」と命名され、1950年に熊谷市が竹井家から譲り受け、1954年に市の名勝として指定されました。1990年〜1992年、園内の整備が行われた際には、数奇屋感覚が取り入れた上で、星溪寮、松風庵、積翠閣の3つの建物が復元されました。庭園への入場は無料です。園内施設は有料で使用可能です。
3月の星溪園楽しいお茶会の中止について [お知らせ]
熊谷市名勝「星溪園」において開催予定の楽しいお茶会につきましては、
新型コロナウイルスの感染予防を踏まえまして、
3月7日(土曜)及び3月15日(日曜)の開催を中止します。
毎月恒例の行事でお楽しみにされている方々が多い中、大変残念ではございますが、
ご了承いただきますようお願い申し上げます。
なお、4月以降の開催の有無につきましては検討中で、中止・延期の場合もあります。
決定しましたら、本ブログなどにおいてお知らせいたします。
宜しくお願い致します。
また、熊谷市におけるイベント等の中止・延期情報につきましては次のサイトをご確認ください。
熊谷市・新型コロナウイルス感染症感染拡大予防に関連するイベント等の中止・延期情報
http://www.city.kumagaya.lg.jp/kenkouhukushi/kenkohoken/eventchushijoho.html
宝乗院愛染堂ご縁日の開催 [仏像]
2月23日、恒例となった熊谷市下川上の宝乗院愛染堂のご縁日が開催されました。
護摩焚き法要のほか、市指定有形民俗文化財「愛染明王」及び「藍染絵馬・尾高惇忠筆奉納額」が公開され、多くの来場者で賑わいました。お札の奉納販売や甘酒なども振舞われました。かつては50年に1回の公開に限られていた愛染明王も2017年の保存修理後初の縁日復活以降、毎年公開されています。
また、地元星宮地区の歴史調査なども進み、その成果なども公民館事業で発表しています。
そのひとつである星宮地区文化財マイスター養成講座の様子をYouTubeで公開しています。
どうぞご参照ください。
星宮地区文化財マイスター養成講座「熊谷市星宮地区の文化財」【講座】【星宮公民館撮影】
講演会「熊谷の俳句文化―金子兜太俳句と定住漂泊の思想をめぐって」 [句碑・歌碑]
本日2月20日は俳人・金子兜太氏の命日に当たります。
昨年は没後1年の追悼事業のほか、生誕100年記念事業として講演会やバスツアー、文献の刊行などを進めてきました。その関連として2019年9月に熊谷商工会議所で開催した、金子兜太氏の俳句について再認識を深める講演会「熊谷の俳句文化―金子兜太俳句と定住漂泊の思想をめぐって」の様子を収録し、動画配信を行っています。兜太俳句の偉業と未来に継承する可能性について興味を持っていただける内容となっていますので、どうぞご覧ください。
なお、熊谷商工会議所会議室で開催したことにより、渋沢栄一の肖像画を背景にしての講演会となりました。新1万円札の肖像画やNHK大河ドラマの主人公に決定し、注目を集めている渋沢栄一。偉人の眼差しを感じながらのお話となりました。
国指定史跡「幡羅官衙遺跡群」 「幡羅郡家復元イメージ」の公開発信
国指定史跡「幡羅官衙遺跡群」の啓発用動画として「幡羅郡家復元イメージ」を作成し、昨秋より公開発信を行っています。Youtubeサイトにて配信しています。当時の様子に想いを馳せながら、幡羅官衙遺跡群の文化財としての意義や価値について再認識を深めていただけたら幸いです。
熊谷デジタルミュージアム「幡羅官衙遺跡群の部屋」
http://www.kumagaya-bunkazai.jp/museum/jousetu/nishibeppu/index.htm
源宗寺本堂保存修理の着工に向けての協議 [建造物]
埼玉県芸術文化祭2019地域文化事業市町担当者会議ー地域の文化を活かすー [普及事業]
埼玉県芸術文化祭2019地域文化事業を実施している埼玉県内の市町担当者による広報会議が埼玉県知事公館で開催され、その様子を収録しました。YouTubeで公開しています。地域文化事業として様々な行事が企画され、開催されてきました。地域の文化をいかに活かし、多くの関心を集めるためにどのような取り組みが必要か、各市町の情報を共有することができました。どうぞご参照ください。
講座「碧梧桐と熊谷の文化史―現代俳句の系譜と民芸店「工藝」の文化振興―」 [普及事業]
昨年、熊谷市名勝「星溪園」積翠閣で開催された講座「碧梧桐と熊谷の文化史―現代俳句の系譜と民芸店「工藝」の文化振興―」の様子を収録し、Youtubeのサイトにおいて配信しています。ご参照ください。
講座は俳壇史を学び楽しむ in 星溪園 熊谷青年会議所クールシェア版街なかゼミナールとして開催しました。俳壇史と熊谷の文化史の関わりを学ぶ講座と、俳人・河東碧梧桐の揮毫俳句を含む屏風を特別公開しました。また、講座では俳人・金子兜太と碧梧桐の関わりや、屏風を所有していた古美術店「工藝」にも着目しました。
【解説】
河東碧梧桐(かわひがし・へきごとう) (1873-1937)
明治6年(1873)2月26日、愛媛県松山市千舟町(旧温泉郡千船町)に生まれる。伊予尋常中学校(現在の愛媛県立松山東高校)、第三高等学校入学の後、第二高等学校(現・東北大学)中退。中学時代から正岡子規に兄事、高浜虚子とともに子規門の双璧をなした。子規没後、新聞「日本」の俳句欄の選者を子規より継承した。明治39年全国俳句行脚を開始、新傾向俳句運動を進める。中塚一碧楼らと大正4年『海紅』を創刊、自由律俳句を示す。『八年間』『三千里』『碧梧桐句集』などがある。大正12年「碧」、14年「三昧」を創刊。昭和12年(1937)2月1日死去。
古美術店「工藝」と碧梧桐屏風
熊谷市本町二丁目の国道17号沿い市役所前交差点近くにあった古美術店。かつては江戸時代後期から続く木綿問屋が原点で、戦後は金子綿ふとん店として店舗が続けられた後、1980年から古民家を活かした古美術店「工藝」として開店し、2010年頃に閉店した。現在、その店舗建物は残されていない。「工藝」の店主、熊木憲市氏(1938-2010)は、フランス文学者の朝吹登水子氏(1917-2005)や俳人の金子兜太氏(1919-2018)とも交流があったほか、俳人の揮毫作品のコレクションなどでも知られる。
古物を守り伝えた人々「好古家たち」展に行ってきました [紀行]
渋谷は國學院大學博物館に―古物を守り伝えた人々「好古家たち」―展を見学してきました。熊谷市から出品している根岸武香の蒐集した二体の埴輪は、関西大学博物館に収蔵されている二体の人物埴輪と久しぶりの邂逅となります。中条古墳群出土の四体の人物埴輪はとても良く似た表現で同一工人の作と推定される資料です(明治の好古家 根岸武香コレクション資料-2【改訂版 2019.04.15】―『上中条出土の武人埴輪と巫女埴輪』―(PDF:1.06MB))。
また、玉類などの考古資料では根岸武香家とも交流のあった松浦武四郎の蒐集した玉類が出品されており、透明感のある緑色した翡翠の勾玉は「琅玕勾玉」とも呼ばれる美しい勾玉で、輝くかのような優品です。
紹介される人物には「神田孝平」や「井上頼国」など根岸と関わりのあった者もいてその資料も展示されています。通常展示にも神道を紹介した区画や、旧石器時代から歴史時代までの優れた考古資料を展示している区画を巡ることができます。考古学系の大学博物館では屈指の館として来館をお勧めします。入館料は無料です。
お土産には本展の図録と大學クッキーを購入してきました。
写真 根岸武香の展示部分―館のご好意で写真を撮らせていただきました。
お土産に求めた「大學クッキー」と「図録」
また、玉類などの考古資料では根岸武香家とも交流のあった松浦武四郎の蒐集した玉類が出品されており、透明感のある緑色した翡翠の勾玉は「琅玕勾玉」とも呼ばれる美しい勾玉で、輝くかのような優品です。
紹介される人物には「神田孝平」や「井上頼国」など根岸と関わりのあった者もいてその資料も展示されています。通常展示にも神道を紹介した区画や、旧石器時代から歴史時代までの優れた考古資料を展示している区画を巡ることができます。考古学系の大学博物館では屈指の館として来館をお勧めします。入館料は無料です。
お土産には本展の図録と大學クッキーを購入してきました。
写真 根岸武香の展示部分―館のご好意で写真を撮らせていただきました。
熊谷弁調査 [民俗]
熊谷弁。これは熊谷周辺で語り継がれている独特の方言です。群馬の方言とも似たような特徴もあり、今や薄れゆく言語の一つでもあるかも知れません。現在、地域の方言を調査研究している文教大学文教大学の亀田裕見准教授の研究グループが、熊谷地域の方言についてのヒアリングを行いました。対応したのは、熊谷出身在住の小林英夫さんと馬場仁さんで、江南文化財センター職員も同席しました。日常的な会話の標準語一覧から、熊谷地域ではどのように話すかという調査でした。「あっ、もう9時だ。早く寝床から起きないとならないね」を「てえ、はあ9時だ。早く起きねえとならねえべ」というような、今では聞くことが少なくなった言い方を思い起こしながら、熊谷弁の今を考える機会となりました。