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旅の記憶‐5  関所手形と結願奉納絵馬   板井 飯島家文書 出雲乃伊波比神社 [紀行]

今から約170年前、黒船来航に始まる幕末の混乱が始まろうとする2年前に、市内の板井から旅の一行が伊勢参宮に旅立ちました。仲良し五人組といったところでしょうが、旅の目的は単なる娯楽ではなく、村中から代参を請け負っていたようです。村中での参拝や神楽奉納を行いお札など授かってきたと思われます。
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 文書の写真は板井村の名主から出された箱根関所の通行手形です、一行は東海道をたどったことがわかります。文面は次の通り、
『差上申一札之事  一、男五㊞人  右之者共此度伊勢参宮仕候間 御 関所無相違御通被 遊可被下候  為後日通手形依而如件   武州男衾郡板井村   名主 平重郎 ㊞ 嘉永四年亥極月十九日 箱根御関所御役人衆中様』
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 一行は参詣を済ませ無事板井村へ戻ったようです。無事の帰還を祝い、鎮守社の出雲乃伊波比神社に奉納された絵馬には五人の姿と署名が描かれています。
 絵馬の背面には「嘉永四年(1851)亥年十二月十九日発足 同五年(1852)二月二十二日帰国 伊勢参宮同行」と銘記されています。新年をまたいで約65日間の旅の証明です。

参考【「武蔵国男衾郡板井村 飯島家文書549 『江南町史 資料編3 近世』」
 江南町史 資料編3 近世 383頁掲載 江南町史 通史編上巻677頁記載】
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