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台風24号による文化財に対する被害と樹木の保全 [植物]

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市指定文化財「横塚山古墳」内での倒木の様子

 9月30日から10月1日にかけて本州に上陸した台風24号は熊谷地域にも豪雨と強風をもたらし、多くの被害が発生しました。強風により市内各地域の樹木が倒れ、道路や電線、民家などに覆いかぶさる被害があったほか、市内の文化財においても被害が各所にありました。県指定文化財「中条氏館跡」の常光院の土塁一部の石積みが倒木の弾みで崩落した被害や、県指定文化財「甲山古墳」や市指定文化財「横塚山古墳」内の木々が倒木するなどの状況がありました。また、重要文化財「平山家住宅」の茅葺屋根の一部が強風により剥落するなどの状況があったほか、県指定文化財「別府城跡」の東別府神社では桜の木の倒木により鳥居が壊れるなどの被害がありました。それぞれの所有者や関係機関と連絡を密に取りながら対応と対策を進めているところです。

 今回の台風では、文化財ではない寺社建築においても強風による被害が複数報告されているようです。特に強風による倒木とともに、幹や枝の落下といった樹木に関わる被害が多くあるようです。樹木の管理については林業や森林保全の指針などにあるように適度な間引き伐採や、定期的な剪定が必要であると考えられています。樹木にも寿命があり、半永久的に保存することは難しいことから、老木の保存に対する課題もあります。神社森なども含めて人々や建物と隣り合わせに植えられている樹木の管理については人手不足や保存管理者の不在などの課題があり、倒木した場合の撤去が遅滞する事態もあります。また樹木自体が文化財となっている天然記念物についても配慮が必要となります。今後において文化財の保存とともにどのような樹木保全の方法が適当か研究機関等の情報を得ながら、啓発を進めていけたらと思います。




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