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東京藝術大学研究者による熊谷市指定文化財「八幡神社古絵図」の調査 [絵画史]


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熊谷市指定文化財「八幡神社古絵図」を調査する東京藝術大学の小柏典華さん(奥)ら

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展示した二作

 熊谷市指定有形文化財(絵画)の「八幡神社古絵図」について、東京藝術大学美術研究科文化財保存学専攻保存修復建造物研究室の博士(文化財)の小柏典華さんと、文化財建造物の保存修理を専門とする株式会社安田工務店の技術者が調査に来訪しました。同作は熊谷市の妻沼地域で個人所有されていましたが、江南文化財センターに移管され、展示室内に仮展示して対応しました。顔料などを紙面に塗り上げる高度で精緻な表現がいかんなく表現された絢爛豪華な作品で狩野派のエッセンスを感じることができます。小柏さんは、歴史的建築を専門としており、建築の設計図面の要素を持ち合わせながら、細微な塗抹の技法について高く評価していました。

 この「八幡神社古絵図」は、徳川家御用工匠であった藤原正清が、徳川家光の依頼により寛永3年(1626)に作成した設計図に、狩野探幽守信が盛付け画法により、彩色を施した二幅の絵画で形状が双方異なり、現在は掛軸に表具されています。藤原正清の孫が妻沼の林家に養子となったときに、持参したと伝えられ、妻沼聖天堂設計の参考となったと言われています。その後、林家と共作関係にあった清水家が引き継ぎ、保存しています。国宝「歓喜院聖天堂」の歴史的発祥を知る上で貴重な絵画であり、妻沼聖天山や林家にも同様の絵図が保管されていることから、その共通性や傾向についての調査研究が今後の課題であると考えています。




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