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文化財の保存修理と伝統技術の継承 [建造物]

 歓喜院聖天堂では、平成28年から平成31年にかけて美装化事業が実施され、彩色部分のクリーニング、漆の塗り直し等が行われています。
 先日、歓喜院聖天堂に足を運んだ際に、美装化時の修繕個所を確認してきました。
 漆による塗装部分は耐水性もあり、比較的外部からの刺激に強いことに加え、美装化時に塗り直しを行っとこともあり、きれいな色合いを保っていました。一方、有機物である膠を接着剤としている顔料による彩色部分は、外部の温湿度変化や風雨の影響を受けやすく、剥落や汚れ等が目立ちます。
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↑平成30年5月10日撮影
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↑令和2年11月16日撮影
 今後も文化財としての価値を維持し、後世にその技術を伝えていくためにも、定期的な修理を続けていくことが求められます。

 11月17日、文化庁は宮大工や左官職人ら匠が継承する「伝統建築工匠の技 木造建造物を受け継ぐための伝統技術」について、ユネスコの評価機関が無形文化遺産に登録するよう勧告したと発表しました。「伝統建築工匠の技」は全17分野で構成され、その中には彩色や漆搔きなども含まれています。
 茅葺や漆喰壁などは現代では珍しくなり、生活様式の変化による需要の減少や、海外からの安価な輸入漆による国産漆の生産の減少など、日本特有の伝統建築の技術の継承には多くの課題があります。また、職人の高齢化や後継者不足も深刻化しています。登録を機に、後継者育成のための
環境づくりの一層の高まりと伝統技術の後世への継承促進に期待したいです。



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