SSブログ

石川 小松の旅ー多太神社を訪ねてーその2 [その他]

 江戸時代の俳人、松尾芭蕉は「奥の細道」巡行の途中、多太神社を訪れ実盛の兜によせて次の句を残しています。
     「  むざんやな 甲の下の きりぎりす  」
 多太神社のパンフレットによると、この句は木曾義仲の家臣樋口次郎兼光が首を検めた時「あな無慚、実盛にて候」から来ており、きりぎりすは、今のこおろぎ(蟋蟀)、栄枯盛衰の情を哀切に詠った名句であるとあります。
 多太神社の参道脇には、芭蕉の石像と句碑が並んでいました。
904D9B83-6E04-4BCD-B7F9-8B7A36185272.jpeg
D5EA51AC-FF9F-4CF3-9D72-5C8254867BE5.jpeg
 芭蕉が実盛を偲んで詠んだこの句は、熊谷でも親しまれています。妻沼聖天山の北側には、昭和54年に聖天山開創800年を記念して建立された句碑が建てられています。
EAF44343-1681-4456-888C-5D50F1704D84.jpeg
 また室町時代には、世阿弥が謡曲「実盛」を書き、歌舞伎の演目『源平布引滝』の中でも三段目の「実盛物語」はとくに有名です。
 多太神社では、毎年7月下旬に実盛を偲ぶ「かぶとまつり」が開催され、謡曲「実盛」の上演や兜の無料一般公開などが行われています。
 実盛と義仲の物語は、長きに渡って多くの人の心を打ち、能や歌舞伎の演目として人々の間で受け継がれています。


【多太神社】
住所:〒923-0955 石川県小松市上本折町72番地
料金:宝物館は事前に予約が必要です。拝観料300円。
   ※連絡先は兜保存会(TEL0761-22-5678)
アクセス:JR小松駅より徒歩15分、JR小松駅よりバスで5分「上本折」バス停下車
     小松空港より車で8分
駐車場:20台


参考文献
奈良原 春作 1982『斎藤別当実盛伝』
柳田 敏司 1996『絵物語 斎藤実盛』
熊谷市立熊谷図書館 2013『斎藤氏と聖天堂』


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。