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池上遺跡発掘調査について(ほ場整備事業) その3 [発掘調査]

 池上遺跡について3回目の記事です。
 今回は、河川跡から検出した墨書土器について紹介します。
 本調査で、弥生時代から江戸時代にかけての遺構、遺物が検出しています。弥生や古墳時代の遺構は河川跡によって切られており、その河川跡からは多量の土器が確認されました。堆積状況から河川の氾濫によるものと考えれ、検出遺物から奈良、平安時代(8世紀後半から9世紀初頭)と判断できました。
DSCN8871-01「(篁ヵ)」_R.JPGDSCN8855-01「官」_R.JPG
 そのうち数点からは、須恵器坏の底部に墨で文字を残した「墨書土器」が確認されました。
 書かれた文字は、「宮」もしくは「官」や、「●刀自」、「豊」などで、「宮」もしくは「官」はこれまでに4点検出しています。
DSCN8851-01「官」_R.JPG
 この池上遺跡はかつての埼玉郡の西端に位置しており、これまでに、この埼玉郡の郡衙(役所)は熊谷市域に存在すると考えられており、池上遺跡やこの遺跡の北に位置する北島遺跡も候補に挙がっています。
 今回、このような墨書が検出したことは、この郡衙を考える一つの判断材料になるものと考えられます。
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