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旅の記憶‐9 秩父17番札所 定林寺 [紀行]

 市域の旧家には、戦国時代の興亡を伝える家が多くあります。忍城を拠点とした成田氏の家中、松山城を拠点とした上田氏の家中、鉢形城を拠点とした北条氏の家中、さらに甲斐国武田氏に与した武士や刀鍛冶や甲冑師など職工を祖先に持ち定住したと伝える家系をお持ちの方もいるようです。
 秩父札所17番 定林寺は秩父市内に所在する寺堂で、鐘楼には立派な梵鐘が架けられています。梵鐘は日本百観音の本尊仏が浮彫に鋳込まれ、傍らに各寺の名と御詠歌が刻まれています。かつてこの寺は札所1番とされていたことからこの鐘が造られたとされます。鐘の銘文によると、宝暦八年(1758)に鋳造され、製作者である鋳物師は「比企郡上小用村(現鳩山町)」の清水武左衛門清長」とあり、中世以来小用鋳物師として専門工人の家系を引く人であったようです。依頼者である施主は「本国上野州 生国武州大里郡上新田村住 柴田信右衛門 藤原豊忠」と記されています。 柴田氏は甲斐武田家に属したとされ、上新田に所在する諏訪神社本殿建築にもかかわる有力者です。 
 定林寺梵鐘と上新田諏訪神社本殿は埼玉県指定文化財となっています。
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写真1  秩父札所17番  定林寺 巡礼の人々

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写真2 定林寺の梵鐘 施主 柴田氏の刻銘

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