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「元荒川ムサシトミヨ生息地」の上流部における補修施工 [記念物]

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 埼玉県指定文化財(天然記念物)の「元荒川ムサシトミヨ生息地」の上流部において水路脇の補修施工が行われました。これは水路脇の法面(のりめん)が水流などにより削り取られ減少したことによるもので、埋め戻し及び崩れ防止のために防草シートを敷設しました。施工は天然記念物区間である400mの最上流部の約50mを中心に実施し、下流部分については現状を維持しています。

 ムサシトミヨの生息にとり水辺環境の保全は重要な課題となっていますが、そのための除草作業に土崩れが支障を来たすなど数年来の課題でありました。また、ムサシトミヨの生息地を観察学習する上でも水路脇の下地が崩れかかる状況があり、これに対する対策の意味も含まれています。

 今回の施工にあたり、県指定天然記念物の現状変更許可申請を行い、許可を受けて実施されました。現状を保存することが文化財保護の基本的な考え方ではありますが、記念物区間のように日々の天候や水流などの影響で環境変化があった場合、その都度、状況を見て対策施工を行うことも必要になっています。

 特にムサシトミヨの生息地においては、地元の保護団体である「熊谷市ムサシトミヨをまもる会」や地元自治会などによる除草をはじめとした環境保全が進められています。作業の安全性などを考慮しながら、こうした活動と自然環境の変化との関係を吟味し、文化財保存に向けた対策を進めていくことが求められています。

 今回の施工を担当した熊谷市環境政策課は、「世界で熊谷にしか生息していないムサシトミヨの保護に向けて、どのように着手すべきか方策の検討を進めてきた。今回のような元荒川上流部の水路環境対策を契機に、水辺環境の保全の重要性など魚に対する関心を持ってほしい」と呼び掛けています。

 水面でのムサシトミヨの確認は難しいため、上流部に所在する熊谷市ムサシトミヨ保護センターにて、毎月第1、第3日曜日の9時~10時に行われている熊谷市ムサシトミヨをまもる会のメンバーによる解説会や、ムサシトミヨ水槽展示の一般公開の機会をご利用ください。

問合せ 熊谷市環境政策課 電話048-536-1547 





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