寺内廃寺の塑像 -9 邪鬼 [奈良平安時代]
仏法に敵対する勢力とも、また信仰を妨げる迷いのこころを具現したともされる邪鬼は、異形の姿で表現され、圧倒的な迫力と強固な意志を表現した神将たちに押さえつけられています。仏像に表現された邪鬼は斑鳩の法隆寺金堂の四天王像の台座にみえるのが初期の例とされています。法隆寺の邪鬼は5本の指を持っていますが、寺内廃寺の時代に近い東大寺戒壇院の四天王像では手は3本指で、足は2本指に表現されています。この仏像は粘土を材料とした塑像で、寺内廃寺と同じ技法で造られたものです。増長天は起き上がろうとする邪鬼の腹と頭を踏みつけている。凶悪の相を見せる邪鬼は3本の指、2本指の足を力ませ天王をはね返そうと力んでいます。寺内廃寺の塑像は3本爪が短く付け根は甲高くつくられているため、足としているのですが、邪鬼ではなく獅子など動物の可能性も考えられそうです。
増長天像の邪鬼 | 広目天像と多聞天像と足下の邪鬼 |
寺内廃寺塑像 獣脚か | 聖天山 貴惣門 持国天像邪鬼の足裏 指2本 |
2019-02-06 09:00
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