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出土瓦に残る文字1「郡名瓦―その1」 [奈良平安時代]

 寺内廃寺出土の軒丸瓦は「素弁八葉蓮華文」で、ときがわ町「亀の原瓦窯跡」(県指定史跡)で生産され、武蔵国分寺七重塔に使用されていることがわかっています。
写真1 亀の原瓦窯跡から出土した軒丸瓦
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 現在。江南文化財センターでは「冑山 根岸家」コレクションによる「武蔵国分寺の郡名瓦」ミニ展を開催しています。この展示の中には那珂郡を示す「中」刻印瓦と豊島郡を示す「豊」刻印瓦を展示していますが、この刻印瓦と同印の刻印瓦が寺内廃寺からも出土しています。また、ヘラ書文字では「大里郡」が確認されています。他にもヘラ書文字の瓦が多数確認されており、「大」「山」「父」「御」「中」などは郡郷名の一部と想定されます。
出土瓦に残る文字1.jpg
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 本来、武蔵国分寺への献納が予定されていた瓦が寺内廃寺へ回された背景には、武蔵国・郡の政治組織に付属した寺格を有したか、政治的に卓越した人物の存在を想定しています。
その人物は当時の男衾郡大領(郡司)であった「壬生吉志氏」であると考えられています。
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