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試掘調査の200日から―2 [発掘調査]

 試掘調査では歴史の一断面を知る土地の痕跡を発見する場合も多々あります。写真の三ヶ尻地内の試掘で現れた土層は明らかに人工的なもので、元々あった地山の黒色土を鋤取り、砂利混じりの土で埋め立てた固い整地層でした。時期を特定できる資料は出ていないのですが、昭和13年に開設された陸軍熊谷飛行場造成工事の一部と考えています。御稜威ケ原と呼ぶ野原に造られた熊谷飛行場は戦後の米軍占領基地から航空自衛隊熊谷基地と市街地や御稜威ケ原の工業団地に変貌しています。かつて、観音山付近まで広がっていた飛行場の大半は失われるか、地表からは見えにくい痕跡となって埋もれているようです。なお、このような地層は陸軍小原飛行場(昭和19年末に完成)の所在した江南地域の野原でも確認されています。
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写真1 土層の状況

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写真2 (昭和14年頃)熊谷飛行場に駐機する 練習機 通称「赤とんぼ」
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