塩古墳群の整備事業 [古墳時代]
整備作業として伐採を実施した古墳上の樹木
幹や枝葉は今後搬出される。細分化された木々はチップ化される。
10月中は長雨が続いていますが、台風一過の晴れを経て、本日も小雨が降り続いている熊谷です。本日はそのような天候の下、県指定史跡「塩古墳群」にて樹木の一部伐採を含む整備作業を業者に委託し実施しました。塩古墳群は熊谷市の江南地域にある塩地区西方にあり、嵐山町と隣接するエリアに所在しています。塩古墳群では方墳や前方後方墳など古墳の形が保存され、23基の古墳が現存しています。周辺には多くの木々が植生し、最も多い杉のほか、ケヤキやクヌギ、コナラなどが確認されています。
その中で、落葉樹に属する数種の樹木が高木化し、倒木への危惧や、落葉が周辺に与える影響などを留意し、古墳の保存を念頭に置いた伐採作業を実施しました。緑溢れる森の一部を伐採することについては、その樹木の保存の観点から容易に判断しかねる面もありますが、適度な管理のために必要であると考えられています。通常、塩古墳群は除草による定期的な管理が進められていますが、高木化した樹木をいかに管理し、時には剪定、伐採するなどして、一般的な「間引き」の作業も自然環境と文化財保存との協調の中では必須であるといえます。
今回の作業では8本の落葉樹を地面から約30センチメートルの部位で伐採し、細分化し、搬出に向けての準備を行いました。今後、伐採した樹木はチップ化され、遊歩道などを敷き詰める素材など各種材料として再利用される見込みです。
作業中も小雨が降り、塩古墳群と周辺の森林を霧が覆うような状況がありました。その雰囲気はあたかも長野県の軽井沢にあるような森林を想起させ、この地域独特の自然環境を感じさせてくれました。「埼玉の軽井沢は江南である」という比喩を聞いたことがありますが、その例えもあながち間違っていないように思えます。
2017-10-25 15:14
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