SSブログ

「金子兜太と金子家の俳人たち」ギャラリートーク [展示]

 八木橋百貨店創業120周年事業企画展「金子兜太と金子家の俳人たち」―巨人兜太誕生の必然 皆野町の近代俳句インキュベーションの歴史とその理由を探る!―でのギャラリートークを開催しました。
 金子兜太、父の伊昔紅、弟の千侍、妻のみな子、各氏の紹介を含めた展示について、また正岡子規から始まった俳諧から俳句への系譜、子規を中心とした俳誌「ホトトギス」から高浜虚子への流れ、虚子の系統と第一波ともいえる新たな自由俳句を探求した河東碧梧桐からの流れ、虚子の多くの弟子たちの中から「ホトトギス」から「馬酔木」へと新たな結社へと進んだ水原秋桜子による第二派の自由俳句の流れについて説明し、秋桜子の同期である伊昔紅の存在から、その後、石田波郷や加藤楸邨ら人間探求派から兜太の「海程」への流れについて概観しました。
 そして、秩父、熊谷時代から、戦争体験、日銀勤務時代における俳句との関わり、熊谷に転居してからの俳句の作品群について紹介し、近年、句碑の建立で話題を集めた金子兜太「熊谷の俳句」について解説しました。あわせて、熊谷市内の句碑について紹介し、熊谷に息づく俳句文化についてお話ししました。現在、俳句を世界無形文化遺産に申請する動きが出ていますが、熊谷はその中においても意義ある存在であることを改めて感じた次第です。
 兜太先生は9月23日に98歳を迎えられました。会期中に会場にはお越しになりませんでしたが、準備期間中に「ありがとう」の直筆の色紙をお持ちされ、御礼を込めての最終展示として掲示されています。過去現在未来へとつなぐ新たな俳句像を探求されているとのことです。今回の展示は兜太先生の偉業を再認識させてくれるとともに、熊谷と秩父で果たされてきた俳句の文化醸成と日本の俳句史と密接に関わる地域の無形資産について、今再び着目する機会になりました。
 


IMG_1343ff.jpg
企画展「金子兜太と金子家の俳人たち」入場口


IMG_1340 (2)ff.jpg
展示会を観覧する富岡清 熊谷市長


IMG_1438ff (1).jpg
兜太先生直筆の掛け軸を前にしてのギャラリートーク


IMG_1427ff.jpg
兜太先生の父で医師で俳人の伊昔紅氏を中心とした皆野文化運動についての説明




nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。