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栗林式土器甕 [弥生時代]

前中西遺跡第10調査区の溝跡から出土した弥生時代中期後葉の甕を紹介します。
kuribayasi.jpg
2月19日に紹介した、北島式土器の壺と共伴するものです。甕型を呈し、地紋に縄文を施文しています。外反する口縁部には、波状沈線を1条、胴部には重ね「コの字文」を4単位施文しています。コの字文の一番中には垂下する波状沈線を施文しています。また、「コの字文」の単位重複部及び、波状沈線垂下部にはボタン上の貼り付け文を貼付し、4~5つの刺突を加えています。
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この土器は、弥生時代中期後葉の長野地域に分布する栗林3式土器に比定されます。このタイプの土器は、胎土が黒色を呈するのが多いのが特徴で、搬入品と推測されます。胎土の黒色は、焼成時に黒色処理を行なったものか、粘土自体に黒色を呈する成分が含まれているのか、意識的に混ぜ物を加えているのかは不明です。焼成後、黒色を呈していることが、この土器の製作に際し重要であったようです。他の弥生土器が、茶褐色を呈する中、小さな破片でも特定できる特徴的な胎土です。
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